【後編】東大出身スタートアップCEOが語る!複業14名を活用した事業戦略の奇策!
この記事は、2021年9月24日にAnother works が主催したオンラインイベント「東大出身スタートアップCEOが語る!複業14名を活用した事業戦略の奇策!」のレポート記事後編です。
株式会社Kanda Quantum CEO元木さんをお迎えし、複業人材活用を通した事業グロースをテーマに、AIスタートアップにおいてどのように複業人材を活用し、事業グロースを行っているのか、どのような基準で人材採用を行っているかについて伺いました!
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なぜ複業人材なのか?
長崎:なぜ正社員採用ではなく14名全員が複業人材なのか、お伺いしたいです。
元木:いちばん大きな理由としては、弊社がスタートアップということもあり、ピボットが激しいからです。事業方針をちょこちょこ変えることがよくあるため、その際に正社員の専門領域外になると、やることがないということが生じてしまいます。
そうなった場合でも正社員なので毎月給料を支払わなければいけない。複業は必要な時だけ参画してもらえるため、融通が効くのでいいです。
あとは、カルチャーフィットにより、人と仕事のミスマッチを無くしたいからです。最初複業で参画してもらい、カルチャーマッチしていることがわかってから正社員化することで、リスクを回避することができます。
長崎:ジョブ型でビジョンマッチもしたうえで正社員化すると、デメリットも少なく両者にとってのリスク回避になりますよね。
ここで1点お聞きしたいのですが、複業の段階でコア業務をアサインしていく中で機密情報もどんどん公開していく必要があるかと思います。NDAを結んではいるけれども不安だ、と感じる企業様も多いと思うのですが、元木さんはどのように情報管理をされていますか?
元木:確かに、おっしゃる通りで。パートのような場合は、どうしても深い情報を出せないことがあります。
先程お話ししたバックオフィスの方は、フルタイムで入ってもらっていたこともあり、いろいろと情報を開示しています。複業人材の方との関わり方や、人柄などを考慮して共有する情報を判断しています。
複業活用のデメリットと失敗
長崎:元木さんが複業人材を活用してきた中で感じた、デメリットや失敗事例などはありましたか?
元木:デメリットは、信頼関係の構築に時間がかかることです。他の複業先が忙しくなるとコミット量が少なくなることも挙げられます。
複業人材の方も、忙しさは増減するわけで。そのため弊社では、複数人の複業人材を採用することでリスク分散できています。
常に採用窓口をオープンにしておくことで、急に人手が足りなくなった場合でもカバーできるような組織体制にしています。
複業人材を採用する上での3つのポイント
長崎:複業人材を採用する上で気をつけている3つのポイントについて伺いたいです!
元木:1つ目は、採用窓口を開けておくということです。採用フェーズではなくても、緩くつながっていることで、高いスキルの方とお話ができるので。そしてその方がまたリファラルで優秀な方を紹介してくださることもあるので、そのような繋がりは大事にしたほうがいいかなと思います。
2つ目は、早い段階でバックオフィスを整えることです。採用や法務、経理などで忙しくなると、私が本業に集中できなくなるじゃないですか。それを防ぐためにも、なるべく早い段階でバックオフィスを整えた方が良いと思います。
3つ目は、自走できる即戦力人材を採用することです。そのような人材を採用するためにも、働きやすい環境を整えたり、最初はオンラインで複業という形から参画していただくことで安心感を抱いてもらったりと工夫しています。
フェーズ毎の複業活用のすすめ
長崎:フェーズ毎の複業人材の活用方法について、創業前・資金調達前後・今後にわけて教えてください!
元木:創業前はたくさんのお金をかけるのではなく、自社にどのような人材が適しているのかをヒアリングすることから始めると良いと思います。その際に複業人材の方と面談したり、顧問のクラウドサービスを利用したりするのはおすすめです。あとは、何でもやります系の知人を中心に集めるのは、最初はいいかなと思います。
資金調達前後は複業人材やフリーランスを雇い、カルチャーマッチを見極めた後に、正社員化を進めると良いと思います。
長崎:これから元木さんも、正社員化していくフェーズだと思います。かなり楽しみになってくるところですね。
元木:弊社は量子コンピューターを専門にしているのですが、その領域の大学ベンチャーは他に3、4社ぐらいしかありません。AIや量子コンピューターのエンジニアリングをやりたい、楽しいという方が集まってきいるので、カルチャーマッチができているなと感じています。なので、これからどんどん正社員かしていきたいです。
今後の展望
長崎:最後に御社の今後の展望についてお話を伺いたいです!
元木:弊社はミスマッチを完全に無くすというミッションを掲げています。大学院にいた際に、有名大学を出ていてもポストにつけていない、仕事にやりがいを感じられないという方に多く出会いました。そこから、ビジネスの方と研究人材をマッチングしたいと思い会社を創業しました。
今後は量子コンピューター系の人材が足りないと言われているので、その基盤を作ること。そしてより人々の生活が豊かになるような、高い価値を与えるような量子AIの技術を弊社で作っていけたらいいなと思っています。
今後の複業人材の採用についてお話しすると、エンジニアは今まで以上に採用を強化していきたいです。研究開発のエンジニアも増えてきて、私一人では抱えきれないところもあるので、プロジェクトマネージャーも採用したいですね。それに加えて、法人営業やマーケティング系の人材も採用していこうと考えています。
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