続・ひそかに気合いを入れる朝 ―会議を進展させるコツ
なかなかうまくいかないプロジェクト。
なんとか方向性を定めたいと、ひそかに気合いを入れたのは、昨日の朝。
その会議の話。
会議の目標は、以下の三点である。
一 方向性を決めること
二 構成と分担を決めること
三 年間の見通しを立てること
会議は何度も開催できない。
そんな時間はとれない。
昨日は12:00までの2時間と決めて、
先の三点の目標達成を目指した。
2時間ですべてを決める。
決まらなければ、今年度も頓挫だ。
そして、目標を達成した。
昨年度は方向性が決まらなかった。
そして、今年度も同じ轍を踏む流れだった。
今しかない。
いま決めないと、今年度も頓挫する。
そんな暗闇に光をさせた理由とは。
ーーー
人の心をつかむ
何よりも大切なのは、人と人との関係性である。
会議をするときには、場の作り方が肝となる。
さて、人の心をつかむためには?
構えを解く
会議だと、
決めなければならない、
意見を言わなければならない、
そんな心持ちになる。
どうしても身構えて、会議にやってくる。
みんなで協力するはずが、
身構えていては柔軟な発想も、
創造的な発想もできない。
だから、
昨日は人数分の数の、種類のチルド飲料を
用意してみた。
何を選んだっていいし、
選ぶときに自然と会話は生まれる。
そのときのようすで、
その人の今日の雰囲気もわかる。
前向きなのか、気が重いのか。
関係性の中で仕事をするからには、
関係性を構築するきっかけが必要なのだ。
チルド飲料は、
選べるログインボーナス
といったところか。ちょっとわくわくする。
(ついでに、会議中にはそれを飲む姿で、その人の緊張やホッとしたタイミングが見える。)
物理的距離をあけない
みんなで同じ話題で、
同じ目標に向かっていることが、
配置からわかるようにする。
資料は用意しない。
一人ひとりが別々に何かを見るのではなく、
同じものを見る。あるいは、みんなの顔を見る。
腕を組んでいる人は、ちょっと威圧感がある。
気難しく下を向いている人は、ちょっと怖い。
みんなが円形になっているといい。机はいらない。
できることは、できるだけ近くで話すこと。
距離が近いだけで、自分事になる。
遠くの親戚より近くの他人、
それほどに物理的距離が与える影響は大きい。
だったら、それを逆手に取ればいい。
意見を組み上げていく
そんなこんなで人の心をつかんだら、あとは議題が進行するように、意見を組み上げていく。
さて、意見を組み上げるためには?
個人の論理を集団の論理へ
一人ひとりに、その人なりの論理がある。
その論理は、ときとしてそのひとの経験や感情、
つまり主観に基づいている。
各々の主観こそが、その人の創造力につながる。
一方で、各々の主観は、
他者を顧みない主張にもなりうる。
各々の論理にフタをするのではなく、
誰のものでもない集団の論理を作り上げる。
特定の人の論理が優先されたとき、
その他の人は、その瞬間に、
他人事として認識し始めてしまう。
誰もが自分事として捉え続けるためには、
各々の論理が織り交ぜられた集団の論理を
作ればいい。
織り上げられた布からは、誰も逃れられない。
会議が始まっても結論を急いてはいけない。
それぞれが何をどう考えているかを整理し、
議題との関係を明らかにする。
そうやって、集団の論理に慣れていく。
枠の中で創造的になる
創造的であるとは、
何も手放しで自由に発想するわけではない。
俳句にも型がある。
同じ方に基づいているからこそ、
違いが際立ち、その人の創造力が生かされる。
(自由律俳句も好きだけど)
プロジェクトを進めるにあたって、
好き勝手に前提を崩していいわけではない。
例えば、
取り組まない選択肢はない
〇〇という要求を満たすことが好ましい
△△という要求を満たすことが好ましい
負担が誰かに偏ってはいけない
誰もが貢献する形で行う必要がある
こんなふうに議論の前提となる枠が存在する。
あくまでもこの枠の中で、
話し合いを進める必要がある。
しかし、こういった前提は、
おおよそ一筋縄では行かない困難さを持つ。
つまり、油断すると楽な方に流れてしまうのだ。
枠から外れそうなとき、
議論を元の枠に戻す必要がある。
では、どのように枠に戻すのか?
むやみに否定しても、逆効果である。
枠からでている認識を持っていない場合も多い。
私にできることは、
繰り返し枠を意識し、なぜその枠が存在するのかを枠から外れた意見を踏まえながら説明し続けることである。
誰とでも一度で共有できるわけではない。
明らかに悪意がある逸脱を除いて、
本人に悪気がない以上、
根気よく付き合う。
前提の共有をしておくことは、大切である。
と同時に、
共有した前提(=枠)を確認し続ける必要がある。
ーーー
大人を育てるというのは、難しい。
人は変わらない。変えられるのは、自分だけ。
だけど、自分しか変えられないわけではない。
組織を変えることはできる。
ちょっとした環境づくりで、
事は動き出す。
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