恋煩い
今日も代打で散歩に行った。
夫の痛風がまだひどいからだ。
夫は不健康エリートで最近15キロほど減量したのはいいが、おそらく一気に減量したから不要な細胞をどんどん捨てていてその影響からか頻繁に痛風発作を起こすようになっている。
とはいえ、小松も小松で散歩の担当がこの頃夫になる頻度が高いことが不満だったらしい。
散歩に行かせる時に夫が小屋をあけて「散歩だよ」と言っても喜ばなかった。待っていたはずなのになぜか部屋から玄関に出てこない。
「どうしたの?散歩行かないの?」と私が尋ねに行ったら顔色が一変して「おばさんとなら行く!」と言って、伸びをして玄関に出てきた。
あまりにストレートな表現に夫の脆いハートがズタズタになったのは明らかだが、長年小松の散歩を粗末に扱ってきた結果なので真摯に受け止めてほしい。
実は、小松には待ち人がいて、彼に会いたいがために川に日参しては彼が好んで座っている場所を何箇所かチェックして歩く癖がある。
ロマンチックといえばロマンチックだし、ストーカーと言えばストーカーだし、表現は難しい。
それに小松はかなり気が多いので会いたい「彼」も日替わりだ。
そんなわけだから小松の恋心が的確に届く事はなかなか難しいし、注意力散漫な小松だから彼にうまく出会えても横を気になる犬が通ってしまえば気はそっちに行ってしまい、彼からも「ほんとに俺のことさがしてたの?」と疑われてしまう始末である。
乙女心の行方は乙女の性格が邪魔をして前途多難。
しかし、彼を思う気持ちは一丁前。
恋煩いで今日の小松の表情はなんだかさみしい。
ごめんな…彼の行動パターンはだいたい知ってるんだけどこの時間には来ないんやでと心で思っていたが、とりあえずは満足するまで待たせてみた。
残念だけど今日は待ち人来ず。
明日もいい時間に連れて行ってやれる見込みはなし。
小松の恋煩いはまだ当分続く。
私も小松の待ち人に会いたい。
久しぶりに話がしたい。
小松の恋煩いがうつったかな。
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