研究者が語る、「あのね」に感じる可能性|後編
「あのね」との共同研究を大公開!
こんにちは。あのね運営チーム後藤です。
今回の記事は、東京都健康長寿医療センター研究所の村山 洋史先生へのインタビュー後編です。
■ 医学研究者が感じる「あのね」の効果とは?
── ここからは「あのね」に関して具体的にお話をお聞かせください。「あのね」のサービスは、ご高齢者の方にどのような効果があると感じていらっしゃいますか?
村山:現在、65歳以上の独居の方を対象にして、「あのね」を使ったグループと「あのね」を使っていないグループを比較して、「あのね」にどのような効果があるのかを検証する実証実験を行っています。途中経過ではありますが、「あのね」を使っていただいているグループでは「孤独感」が軽減している傾向が見られました。また、ウェルビーイング、つまりいきがいや生活満足といったものに繋がっていくこと、日々の健康は自分で管理できるという気持ちである「健康管理能力」が高まる傾向にあるというところも見えてきました。
日常生活にプラスアルファで、コミュニケーションロボットを通して人と会話できる「あのね」のようなサービスが存在していると、寂しさの解消はもちろん、ご利用者のいきがいにも繋がっていくと感じます。
■ ご高齢の方に「あのね」が良い影響を与えるのはなぜ?
── 具体的には「あのね」のどのようなところが、ご高齢の方に良い影響を与えていると考えられますか?
村山:より詳細な調査を進めて行く必要がありますが、例えば「おやすみの時間ですよ」「お薬の時間ですよ」 「ご飯を食べる時間ですよ」とコミュニケーションロボットを通して「あのね」が様々なリマインドしてくれることにより、就寝時間、薬を飲む時間、ご飯の時間とご高齢の方の生活にメリハリがつきます。
「あのね」がタイムキーパーの役割を担うことで、その人の日常がよりスムーズになっていく傾向があるということです。
村山:人とのコミュニケーションや交流の多様性、つまり誰と繋がるか、どう繋がるかというのが、健康や生き甲斐に良い影響を与えるという研究があります。
「あのね」で、同世代でも、子ども世代でも、孫世代でもなく、ペットでもなく、人でもない、たどたどしくて愛くるしい喋り方をするロボットを通じ、コミュニケーターと話すというのが、対面やSNSに加えた新たなコミュニケーションなのだと考えると、ご高齢者のコミュニケーションにより一層多様性をもたらし、健康やいきがいに良い影響を与える可能性があるのではないかと感じています。
■ 「あのね」を特におすすめしたい方とは?
── 「あのね」を特にどんな方におすすめしたいですか?
村山:ご高齢者と一口に言っても、お元気な方から介護が必要な方まで様々です。
今回の実証実験に参加された多くの方は、お元気で普段から人とコミュニケーションを取っていました。そういった方々は「あのね」を日常のコミュニケーションにプラスアルファする新たなコミュニケーションとして、多様性をもたらす存在として使ってほしいなと思います。
反対に、身体はお元気であっても、人との関わりがあまり得意ではない好きではないという方もいらっしゃいます。コミュニケーションを取る機会が少ないと、コミュニケーション力は低下していきます。使わないと衰えていくのです。逆を言うと、コミュニケーション力は鍛えることができます。ですので、「あのね」を利用し、ロボットを通して会話をすることで、コミュニケーションの練習・リハビリのようなものとして、うまく使ってほしいなと思います。
■ 今後の「あのね」に期待すること
── 今後の「あのね」に期待することを教えてください。
村山:先ほど話したことと関連していますが、ご高齢者に限らず、世の中には実に様々な人が生活しています。そういった方々の多様なニーズにマッチできるサービスに進化して行ってほしいと思います。
例えば介護が必要で、なかなか外に出るのが大変な方、気遣ってくれる息子さん娘さんと頻繁には連絡が出来ないという方は、「あのね」のサービスが社会の窓口になるということがあるかもしれません。
「あのね」はそういった可能性を秘めたサービスですので、色々なシチュエーションに置かれている、多様な人々のニーズによりマッチしたサービスになっていくことを期待しています。
最後までご覧いただき、誠にありがとうございました。
参考になりましたらぜひ「スキ」をお願いします!
「あのね」に関するお問い合わせはこちら
「あのね」に関するお問い合わせは、セコム公式お問い合わせフォームにお願いいたします。フォーム内の「お問い合わせ内容」に詳細をご記載ください。
※「クリエイターへのお問い合わせ」への入力はお控えください。