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【詩作】浮世を這う


乾燥した夢から出てきたら
ここでも悲しいことばかり
弱い陽射しで簡単に充電できたら
こんな頭も肩も楽なのに

人の声がこわくて 上手く目線を走らせた
嘘をついたという思い出だけが
嘘をつかずに私の中に残る
路上に染み込んだ たくさんの生活が
混じり合って、気まぐれに消えてゆく
耳を澄ませば 私はまだ、
よくわからないな

雨の日にはカタツムリのような速度で散歩して
晴れの日はカタツムリのような殻に閉じこもって
それぞれの空を思い出そう
お腹が空いたら世間を蹴飛ばして
ダダイズムの海で 夢を食う
一人きりのダイアローグ 鳥が運ぶ
私はカタツムリ 浮世を這う



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