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ラーゲリより愛を込めて

昨日のつぶやきに引き続くが、「ラーゲリより愛を込めて」について感想を書いていきたい。

なんだかすごく心に残って、とても140字じゃ表せきれないものがある。

今、電車に乗って青い空を見ている。
当たり前のように、人々は行きたいところへ、会いたい人のもとへ足を赴く。

そんな当たり前の日常を目にすると、今こうして生きていられる有難みを感じずにはいられない。


「ラーゲリより愛を込めて」

第二次大戦後の1945年。そこは零下 40度の厳冬の世界・シベリア...。わずかな食料での過酷な労働が続く日々。死に逝く者が続出する地獄の強制収容所(ラーゲリ)に、その男・山本幡男は居た。「生きる希望を捨ててはいけません。帰国(ダモイ)の日は必ずやって来ます。」絶望する抑留者たちに、彼は訴え続けた一身に覚えのないスパイ容疑でラーゲリに収容された山本は、日本にいる妻・モジミや4人の子どもと一緒に過ごす日々が訪れることを信じ、耐えた。劣悪な環境下では、誰もが心を閉ざしていた。戦争で心に傷を負い傍観者と決め込む松田。旧日本軍の階級を振りかざす軍曹の相沢。クロという子犬をかわいがる純朴な青年・新谷。過酷な状況で変わり果ててしまった同郷の先輩・原。山本は分け隔てなく皆を励まし続けた。

「日本で落ち合おう」

そう妻と約束を交わした山本さんは、どんな過酷な状況に追い込まれてもなお、"希望"を捨てなかった。

そして妻・モジミさんも、山本さんのように"希望"を持ち続け、何年経っても必ず帰ってくると信じて待っていた。


山本さんはただ信じているだけじゃなく、周りの人にも手を差し伸べ、「生きよう」と声をかけ続けられる、希望を掲げ励まし続けた人だった。

そんな山本さんの姿を見て、閉ざしていた心をだんだんと開いていく周りの人たち。

山本さんが癌になり、生きて日本へ帰れないことが確実となっても、遺書を遺し、それを必ず家族の元へ届けると、周りの4人は強い意志を持つようになった。

これは山本さんが繋いだ、"道義"の連鎖だと思う。


収容所では持ち物検査があり、特に文字が書かれた文書は徹底的に没収された。

遺書も同様に、すぐにソ連軍に取られてしまうだろうと考えた4人は、とある行動をとる。

遺書を記憶する。

かつて山本さんは言った。

「頭の中で考えたことは、誰も奪えませんから」

その言葉をきっかけに、4人は遺書を記憶することにした。

そして帰国後、4人は山本さんの家族の元へ訪れ、それぞれ遺書を伝える。


その中で1番響いたのは、子供たちへの遺書だった。

さて、君たちは、之から人生の荒波と闘ってゆくのだが、最後に勝つものは道義であり、誠であり、まごころである。人の世話にはならず、人に対する世話は進んでせよ。無意味な虚栄はよせ。立身出世など、どうでもいい。最後に勝つものは道義だぞ。

この気持ちで、山本さんは生きていた。

周りの人に希望を与え、心を変え、山本さんの意思が今に受け継がれた。



道義・誠・まごころ

世のために、人のために、生きていきたいと思った。
それが"人間らしく生きる"ということなのかもしれない。

繋いでいきたい。
彼が残した意思を、1人でも多く受け取れるように、久しぶりにnoteを書いた。

自分の子ども、孫、その先続いていく未来の世代まで、みんなが幸せであれるように。
悲しい出来事が少しでもなくなるように。
平和が訪れるように。

そして忘れてはいけない。
青い空、美味しい食事、大切な人々、この穏やかな日々を。


最後に、この映画を観た後にMrs. GREEN APPLEのSoranjiを聴いて欲しい。

大森さんの紡ぐ歌詞への感じ方がすごく変わる。
言葉がより心に響いてくるから。


今日という日を、噛み締めて生きよう。

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