旅の記憶 Challenge to change
この季節になると、ネット上の広告やチラシなどで
「【卒業旅行】思い出作りの旅!」
などという旅行企画が目に付きますよね。人それぞれだからどうでもいいのですが、こういうのを見ると私は「思い出作りの旅?思い出は結果的に残るもんやで。わざわざ作リに行くもんとちゃうやろ?」と思わず突っ込みたくなるのです。あ、そんなこと思ってるのは私だけ?(^^;)
私は若い頃からいろんなところへバックパック担いで旅に出ていますが、一度も思い出を作るために旅に出たことはありません。なのに振り返ってみると思い出深い旅が多いのはどうしてなのでしょう?
私の旅はせっかく気ままな旅に出ているのに、メンバーに気を遣うのがイヤなので、基本的に一人旅。たとえ旅先でたまたま出会って、しばらく一緒に行動する仲間ができても、いずれどこかで別れるからベースはいつも一人なんです。
あ、家族とどこかへ出かけることはありますが、あれは「旅行」であって旅ではありませんので悪しからず。(^^)
さて、もしあなたが一生忘れられないような思い出に残る旅をしたい!とおっしゃるなら、
ハプニングがそのお手伝いをしてくれますよ。
と、私は強くアドバイスをしたい。
旅に出ればバスに乗り遅れたり、道を間違えたり、忘れ物をしたりすることはよくあります。昔は携帯やスマホなんてなくて地図一枚が頼りでしたからしょっちゅう困りごとに直面したものです。
で、そんなふうに失敗して本当に困ったことは、後になっても絶対に覚えているものです。つまり、ハプニングこそが旅のスパイスなのです。そして、その困難な状況を何とか自力で乗り越えて無事に帰って来た経験は、その後の人生の教訓となることまちがいなしです。(^^)
世の中にはもっとスゴい旅をなさっている方が大勢おられますから、私のつたない体験なんぞ自慢にも何もなりませんが、旅で経験したハプニングを思いつくままにいくつか挙げてみましょう。
学生時代に自転車で北海道一周をした時は、大水害に見舞われて知床半島の北側(斜里町)で橋が11カ所も崩壊。1週間以上も半島に閉じ込められました。私が宿泊していたYHは急遽避難所と化し、庭にテントを張って幾夜かを過ごしたことは忘れられない思い出です。最終的にクルマで来ておられた方に同乗させていただいて、当時まだ未舗装だった林道を通り、知床峠を超えて半島から脱出しました。
アジアやアフリカには屋根に荷物を積んで走るバスがありますよね。私がネパールのポカラからカトマンズへ向かう長距離バスの屋根に荷物を載せに上がっていたら、何とそのままバスが発車してしまいました。仕方がないので振り落とされないように必死で屋根にしがみつきながら、次のターミナルまでデコボコ道を3時間走りましたとさ。バスの屋根に荷物を載せる時は、時間に余裕を持ってやりましょうってことです。
香港では、当時まだ健在だった巨大スラム「九龍城」へ安宿で出会った仲間数人と夜中に遊びに行って、写真を撮っていたらはぐれて迷子になりかけました。薄暗い通路に転がっていた古い大砲を目印にしてようやく仲間と合流。何とか迷子にならずに済みましたけど、今から思うとかなりヤバかったかな。
こちらは夜中に一人で迷子になった話です。バンクーバーのチャイナタウンに夜中に酔っ払って一人で迷い込んで、身の危険を感じながら宿泊先のホテルへ帰らなきゃ!と、自分の方向感覚だけを信じてチャイナタウンの中央広場からホテルに向かって歩きに歩き続けました。で、2時間必死で歩いて「さて。ここはどこだ?」とふと目を上げて周りを見渡したら、スタートした中央広場だった時の絶望感ったらありませんでした。www
さあ、如何です?財布とスマホさえあれば、今は昔ほど大変なことはありません。ホントの思い出を作りたかったら、ちょっとチャレンジングな旅をしましょうよ。
友だちと風光明媚な観光地を訪れたことや、楽しかった出来事なんてすぐに忘れてしまいます。予定通り滞りなく済んだ旅のどこが面白いの?ハプニングこそが旅の醍醐味だとは思いませんか?
あ、絶対にそんな旅はごめんだと?www
ま、今やれと言われたら、私も絶対にやりたくないですけど。(^^;)
実はこれ以外にもここには書けないようなことがまだまだたくさんありますけど、こういうハプニングは一生忘れられない旅の思い出です。
え?もっと読みたい?「いいぞもっとやれ!」とみなさんがおっしゃるなら書きますけど、どうなっても知りませんぞ。w