コーヒーかすでぼかし肥作ってみたらどうなるかな?
学生時代に喫茶店でアルバイトをしていたこともあって、私はこれまでサイフォンからネルドリップ、ペーパードリップ、水出し等いろんな方法でコーヒーを淹れてきました。もとより無類のコーヒー好きですので、それ以来ウン十年、ドリップの腕を磨く修練のつもりで自分で毎日コーヒーを点てては飲んでいますので、いつでも喫茶店やカフェが開業できます。お客が来るかどうかは知りませんけど。www
ま、それはさておき、今日の話題はコーヒーかす。コーヒーを入れた後に出るあれです。これが結構な量の生ゴミになるんですよね。日本全体だと1年で約30tにもなるそうです。このコーヒーかすを何とか再利用できないか?ということで肥料として使おうとされる方や企業が増えているようです。色だけ見ると如何にも土によさげですもんね。で、早速ネットで検索すると、コーヒーかすには「肥料・防虫・消臭効果がある」と書かれているものもあれば、「園芸での利用はしにくい」と書かれているものもあって、とにかく情報が錯綜していますね。
実は私もずいぶん昔にチャレンジしたことがあって、コーヒーかすをそのままプランターの土の上に撒いたり、土に混ぜてたりして植物を育てる比較実験をしました。詳細は省いてそのときにわかった結果だけを端的に言うなら、「コーヒーかすをそのまま土に入れると草も生えんし野菜も育たん」ということでした。それあかんやつ。w
つまりそのままだと使いもんにならんってことです。どうやらアルカロイドの一種であるカフェインと、クロロゲン酸をはじめとしたフェノール性物質(ポリフェノール)が、植物の発芽や生育を阻害するらしいです。
今回いろいろ調べてわかったコーヒーかすの特性をまとめると次のようになりました。
うーむ、欠点が目立ちますな。これは諸刃の剣です。そんなコーヒーかすの最大の長所は「多孔質」なことでしょうか。多孔質であるということは匂いの吸着性に優れ、土中で微生物の住処となり、保水性、保肥性、通気性に優れるということです。タンパク質を含む、ミミズがたくさん寄ってくる、このあたりもいいところかな?あとは除草剤代わりに使えそうといったところですね。あ、撒くともちろん野菜も育ちませんけど。www
じゃ、発酵させたらどうなのか?これも調べてみましたら、しっかり発酵させるとあーら不思議。先に上げた欠点はほぼ解消して、特に含まれているタンパク質がとても良質な肥料分になるらしいです。
というわけで、そのままだと百害あって一利なしなコーヒーかすを材料にしてぼかし肥料を作ってみたらどうなるのか?という実験をしてみました。
今回の材料は次の通りです。
・油かす…1㎏
・鶏糞…1㎏
・乾燥させたコーヒーかす…1㎏
・米ぬか…2㎏
・魚粉…一握り
・ガレージにあった古い配合有機肥料…一握り
・牡蠣殻石灰…一握り
・食べ終わった納豆の容器を洗って採ったネバネバ液
ちなみに、私は畑にほとんど肥料を入れませんので、めったにぼかし肥を作らないのですが、作るときには最初の一次発酵では60℃を超えるようにしています。その後、温度が下がってきたら加水しながら切り返して2~3度再発酵させた後、温度が30℃を下回って外気温に近づいたら自然乾燥させて完熟。なのですが、私の作るぼかし肥の場合、材料に窒素分が多いからなのか、はたまた米糠の配合が多いからなのか、高温状態がダラダラとかなり長く続きます。ま、そんなもんなんでしょうかね?
というわけで、今回コーヒーかすを混ぜて仕込んだぼかし肥も一向に温度が下がらないので時間がかかりましたが、じっくりしっかり発酵させてようやく完成です。
さあ、こうして作ったコーヒーかすを使ったぼかし肥はどうなのか?それは使ってみないとわかりませんけど、出来上がりを見る限りいい感じなんじゃないでしょうか。ま、作物が枯れなきゃよしとしましょうかね。(^^;)
あ、たぶん使わんかな?w
参考;上島珈琲さんの研究論文