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#9 はじめの一歩は1K
職場の託児所に、少し前に入園してきた1歳の赤ちゃんがいます。
先日、保育中にちょうど初めて歩いた瞬間に居合わせ、同時に息子が初めて歩いた日のことを思い出しました。
今日はそんなお話。
息子が初めて歩いたのは、2歳の夏。2歳7か月のことでした。
周囲とはだいぶ遅れての初めの一歩。
寝返りもハイハイもしなかった息子は、お座りをマスターした後にお尻をつけて座ったままの形で移動し始めました。
膝を立てて、お尻を引きずるような形で。
いわゆるシャフリングベビーです。
うつぶせを嫌い、床に足をつけるのも嫌い。
なんとか、つかまり立ちが出来るようになった時も、フローリングの上に立つのはNG、しかしフワフワのブランケットの上であればOKと判明(笑)
偏食にとどまらず、足をつく場所にも好みがあるとは!とめまいがした記憶があります(笑)
そんな私達の試行錯誤も限界に達した時に療育への入園が決まり、そこで理学療法士の先生とのトレーニングが始まりました。
とにかく!とにかくこの先生が褒める!!
理学療法士の先生に限らず、療育の先生方はとにかく褒めてくれます。
しかし、桁違いの褒めの嵐!!(笑)そして何より、小さな出来た!や変化を心から喜んでくれます。母親の私自身も本当に支えられました。
歩行器での練習を繰り返し、同時に苦手な砂利道や坂道も練習。階段、ちょっとした段差。四つ這いやうつぶせ。色んな体の動きを訓練して、体の使い方を覚えていきました。
靴にも注意。靴底がゴムの硬いものだと嫌がる可能性があるので、雨なんて全て染み込んでくるようなオール布製の柔らかい靴でスタートしました。
思い出がありすぎて。。。今でも大事にしまってあります。
歩けるようになったら履かせようと控えていた靴たちが、日の目を見ることなくどんどんサイズアウトしていき、歩けるようになるのは3歳過ぎだろうか、と不安になり始めた時、その瞬間は訪れました。
場所も状況もハッキリと思い出せます。
引っ越してきたばかりの妹のアパート。
なんとなく、なぜかなんとなく、
歩ける気がして、「おいで!」と呼んでみると、狭い1Kのベッドとテーブルの間を1人で私に向かって歩いて来てくれたのです!
5~6歩くらい、時間にして5秒前後。
え!というつかの間の沈黙の後、引っ越してきて早々に苦情がきそうなレベルで大喜びして騒ぎました(笑)
その後も得意げに何往復もして、その日を境についに始まったのです!
家族みんなで待ちに待った自立歩行!!
なぜ、妹のアパートの部屋で初めて歩けたのか?
恐らく、壁や家具と自分自身との距離感がちょうどよく、そこから安心感が生まれたのではないか、と理学療法士の先生は仰っていました。
あの瞬間の感動は、きっとずっと覚えていると思います。
苦労したからこそ、その時間の分だけ一緒に悩み考えてくれる人も増え、そして同時に、喜びを分かち合ってくれる人が沢山いるということを気付かせてくれました。
たしかに回り道。今となっては充実感でいっぱいの回り道です。
新しい土地と環境で初めの一歩を踏み出した妹と、その妹の1Kのアパートで、人生初めての一歩を踏み出せた息子。
後にも先にも、私たち家族の誰にとっても、妹が暮らすあの1Kの部屋は記念すべき初めの一歩の1Kとなりました。
さて、息子の今の課題はジャンプ。
今度はどこで一歩踏み出すのかな!