8月9日 セルフハグでもっと自分を好きになる日
『自分一人大事に出来ないであなたはいったい誰を大切にできるの』
今の妻と、まだつきあっていた頃に彼女に言われたことがある。20歳くらいの時だっただろうか、驚くことにもう15年も前の話だ。
当時の俺は確かに忙しかった。大学の授業や課題、アルバイト、親戚の家庭教師、そして彼女とのデート。限られた時間の中にしてはやるべきことが多すぎて手が回らなかったのが正直なところである。寝不足や頭痛はよくあることで体調万全の時の方が少ないくらい。その上で彼女にも良い顔をしようとこまめに連絡をとっていたら、何かのきっかけに言われたのだ。自分を大事にしなさいと。
彼女の言うとおりだ。一番身近な、身近と言うには近すぎるけれど、その自分自身さえ大事に出来なければ他のひとを大事にするなんて出来るのか疑わしいものだ。もちろん中にはそう出来る人もいるのかもしれないけれど、少なくとも俺は違うようである。
自分を大切にすることは意外に難しい。
「大丈夫?明日は早めに帰るようにするけど、ごめんね。こんな時に出張なんて」
妻からメッセージが届いた。
俺は今、久しぶりの高熱に苦しんでいる。・・・・・・と、言うと大げさだけれど、38℃と熱が高く、そこそこにくらくらするし、頭はぼんやり、食欲は今一つないという症状を体感している。今の季節、完全に夏風邪のようだ。
「大丈夫、気にしないで。自分でできるよ」
言ったもの勝ちとでも言うように、妻にそんなメッセージを送ると、本当に自分で出来るように思えてきた。多少の熱がなんだ。
「ちゃんと何もしないで休んでね。体が楽になるストレッチ教えるからやってみて」
せっかくだからといろいろやろうと思っていたことがバレていたのだろうか。何もするなと先制された。
加えて、なぜストレッチ?と思うも、ひとまず言われたとおりにやってみるかと思い、メッセージに従ってみる。
①胸を張って両腕を目一杯真横に広げる。
②右手を左の脇から背中に回す。
③左手をその上から背中に回す。
④両手にぎゅっと力を込めて、自分を労う。
・・・・・・労う?
何のことかと思いながらその指示のままストレッチを続けた。それはまるで自分自身を抱きしめているようだと気づく。
「人のことばかりじゃなく、たまには自分のことも大切にすること!いつも頑張りすぎるんだから、良い機会だと思ってちゃんと休んで」
スマホに表示された妻からのメッセージにハッとする。また俺は自分を大切にしていなかったのか。ストレッチの最中だったからか、自分を抱きしめるその手に力が入る。ぎゅっと、自分を抱きしめてやる。
「⑤自分はよく頑張っている、偉いと自分を褒めること」
追記のメッセージを横目で確認し、もう言われるままに行動した。
「俺はよく頑張っている。いつもちゃんと出来ている。これで十分だ!偉い!」
不思議と胸が熱くなるのは、何も熱のせいばかりではないはずだ。
一番近い自分を大事に思えてこそ、人を思いやれるのだ。
俺はいつもそれを忘れてしまう。
だからこそ、時々こんな風に自分を抱きしめるのは良いのかもしれない。
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【今日の記念日】
8月9日 セルフハグでもっと自分を好きになる日の日
一般社団法人日本セルフエスティーム普及協会が制定。同協会では自己肯定感を柱に誰もが自分らしくハッピーに生きる社会を作るために「自分を愛することから始めるラブ・マイセルフ 100万人プロジェクト」に取り組んでおり、記念日を制定して活動を広めるのが目的。自分を抱きしめて(セルフハグ)もっと自分を好きになってほしいとの願いが込められている。日付は8と9で「ハ(8)グ(9)」と読む語呂合わせから。
記念日の出典
一般社団法人 日本記念日協会(にほんきねんびきょうかい)
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