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1126_脱力

【140字小説】
誰の声かと思ったら私の声で驚いた。外は寒く辺りは暗い。見渡せばそこには積み上げてきた毎日があった。あっ、と声を出せば、あっと返ってくる。紛れもなく私の声だと気づき、私は私を抱きしめた。途端に積み上げてきた毎日がガラガラと崩れ落ち、その欠片が私の頬を切る。血は出ず、私は目を覚ます。

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