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水中毒
どんなに身体に良いものでも、過剰摂取は害になります。
それは、私たちの生命維持に欠かせない水であっても同じことです。
水中毒とは、体内に過剰な水分が取り込まれた結果、血液中のナトリウム濃度が異常に低下し(低ナトリウム血症)、体のバランスが崩れる状態を指します。これは、特に短時間に大量の水を摂取したときに起こりやすいです。
水中毒のメカニズム
通常、腎臓は体内の水分バランスを調整し、余分な水分を尿として排出します。
しかし、過剰に水を飲むと、腎臓が処理できる以上の水分が体内に残り、血液中のナトリウム濃度が希釈されます。
ナトリウムは体液の浸透圧を維持し、細胞の正常な機能を保つために必要な電解質です。
ナトリウム濃度が低下すると、体の細胞に水が入り込み、細胞が膨張します。特に脳細胞の膨張は危険で、脳浮腫や意識障害、最悪の場合、死に至ることがあります。
症状
水中毒の症状は、ナトリウム濃度の低下程度によって異なりますが、以下のようなものが一般的です。
頭痛
吐き気や嘔吐
混乱や意識の低下
筋肉のけいれんや脱力感
痙攣
昏睡
重篤な場合には、呼吸困難や心停止を引き起こすこともあります。
原因
水中毒の原因としては、以下のような状況が考えられます。
過剰な水分摂取: 特に短期間に大量の水を飲むこと。例えば、激しい運動後に大量の水を一度に飲むなど。
持病や薬の影響: 低ナトリウム血症を引き起こしやすい薬を服用している場合や、特定の疾患がある場合。
過剰な抗利尿ホルモン分泌: 体内で抗利尿ホルモンが過剰に分泌されると、水分の排出が抑制され、水中毒を引き起こすことがあります。
予防と対策
水中毒を予防するためには、適切な量の水分補給が重要です。以下の点に注意することでリスクを軽減できます。
適切な水分摂取: 激しい運動や高温下での活動時には、水分だけでなく電解質(特にナトリウム)を含む飲み物を適量摂取する。
バランスの取れた飲水: 一度に大量の水を飲むのではなく、少量ずつ時間をかけて飲むことが推奨されます。
個人差を考慮する: 体重や活動量に応じた水分補給が必要であり、一律の量を飲むのは避けるべきです。
水は健康に欠かせないものですが、過剰な摂取は命にかかわる危険があるため、適切な量を守ることが重要です。