大企業→ベンチャー転職で考えるべき「プロセスとお金と覚悟の話」
私は、大学卒業後、小学館という出版社に入社しました。
小学館は社員700名強の会社で、一般的に大企業と言われる基準である1000名には達していない会社ですが、築いてきた文化と歴史、事業に関わる人々の総数を考えると、十分に大企業と言えると思っています。
そんな大企業である小学館を、私は25歳で辞め、ITベンチャー企業・グラニに転職をしました。
正確には、単なる転職ではなく、「仕事が1つって誰が決めたんだろう?2つでも良くない?」という素朴な疑問から、企業に社員として所属しながら、タレント業をするというパラレルキャリアを始めました。
その後、ベンチャー企業・HowTwo、現在はシンガポールのマルサヤシンガポールと、転職を計3回経験しています。
29年の人生で転職を3回経験した私が、自省も交えながら、改めて転職の際に考えるべき「プロセスとお金と覚悟」について赤裸々に語るというのがこのnoteです。
今の働き方に悩んでいる人、新しい働き方に挑戦しようとしている人にとって、少しでも心を整理するきっかけしていただければ嬉しいです。
今、記事内では4つの事柄を紹介していますが、他にも思い出すことがあれば、適宜追記していく予定です。
その0
そもそも今の会社を本当に辞めなければならないのか?
退職願を出す前に、まずは今の会社について改めて見直してください。
転職には人それぞれの理由があると思いますが、もしベンチャーに転職しようとしているなら、何か自分がやりたいこと・挑戦したいことを心に持っているのだと思います。
それは、
本当に今の会社ではできないことなのか?
実現する方法・手段は本当にないのか?
まずは、これを徹底的に考えてみてください。
(例)私の場合:
私の場合は、「仕事が1つって誰が決めたんだろう?2つでも良くない?」という疑問から、タレント(表現者)と編集者(作り手)の両方を仕事として生きていきたいというのが転職を考え始めた理由でした。
まずは、社内を観察しました。
小学館にはたくさんの事業・部署があります。
そして、いくつかの部署には、社員自身がメディアに出るなどして、表現者と作り手の両方の役割を担っている人も数名いました。
これは、私がやりたいことに近い働き方です。
そこで、その部署・ポジションにどうすれば自分もたどり着けるか、方法を探りました。
その中で、実現できそうな部署が見つかり、その部署の上長からもぜひ来てほしいとの言葉をもらいました。
でも、現実的な話、今から志望し、社内調整をして、実際に異動するまでには3-5年はかかると言われました。
会社は組織なので、人事的な事情があるのは仕方がありません。
ただ、ものすごいスピードで世の中が移り変わるこの時代です。
今自分がやりたいことを、3-5年後にその部署で、その形でまだやりたいと思っているだろうか…
マーケットや需要の変化を考えれば、やりたいことは絶対に変わっているだろうなというのが正直な気持ちでした。
(現に今、小学館を退職してから4年が経ちましたが、今はもう当時と同じ方法論でやりたいとは思っていません)
しかも、3-5年、ただ時間が過ぎるのを待つなんて、せっかちな私にとっては気が狂いそうな時の長さに感じられました。
そんなこんなで、残念ながら社内で実現するという方法は諦めました。
そして、次に考えました。
社内でダメでも、副業として自分が勝手にやれば良いじゃないか、と。
すぐに、人事に相談しました。
「私、タレントをやりたいと思っています。副業はどこまで認められますか?」
もちろん、答えはNoです(笑)。
多くの企業で副業は就業規則で禁止されているのが現状なので、仕方がありません。
こうしたプロセスを経て、私が小学館を退職するということは自分の中で確定したのでした。
でも、このプロセスを踏んだからこそ、今、あまり振り返ることなく、前に進めているのだと思います。(辞めてなかったらどうなっていただろう?と全く思わないかといえば、思うことは当然あります。年に1,2回くらい)
せっかくご縁があって入社した会社です。
悔いが残らないように、まずは過去の自分の選択を信じて、今の会社で実現できる方法を模索してください。
そして、今の会社については良いところも全て書き出してください。
今カレ(今カノ)に対して、「元カレ(元カノ)は、こういう時〇〇だったなー」と、思ってしまうのが人間の性(笑)。
会社も同じで、辞めてから改めて感じる良さが絶対にあります。
今の会社の良さを十分に知り、その一部を失うという覚悟を十分に持ってから、転職のプロセスを進めてください。
その1
給与はなるべく下げるな。天秤にかけろ。
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