5月21日は「対話と発展のための世界文化多様性デー」5月の1カ月間をダイバーシティ&インクルージョン推進月間に!
こんにちは。ダイバーシティ&インクルージョン推進を組織と人の側面から支援するAn-Nahal(アンナハル)の学生インターンのRYOMAです。
私はLGBTQ+やジェンダーにおけるダイバーシティ&インクルージョン推進に特に興味関心があり、今年の2月からインターン生としてAn-Nahalに参加しています。
さて皆さん、5月21日は何の日かご存じでしょうか?
「対話と発展のための世界文化多様性デー」という記念日です。
対話と発展のための世界文化多様性デー(英:The World Day for Cultural Diversity for Dialogue and Development)は、文化の多様性の価値をより深く理解し、その保護と発展、文明間の対話を促進させることを目的として、2002年にユネスコによって制定されました。
An-Nahalは5月の1カ月間をダイバーシティ&インクルージョン推進月間として「文化多様性を組織の力に」をテーマに様々な情報発信やイベントを開催します!
文化多様性が組織のダイバーシティ&インクルージョン推進にどのような影響を与えるのか、ぜひこの機会に文化多様性について考えてみませんか?
詳しくはプレスリリースをご覧ください。
多様性とは?
まずは、「文化多様性」の前に「多様性」とは何か考えていきましょう。
多様性(= ダイバーシティ)、特に組織における多様性とは、組織に多様な人材がいる状態のことを指しています。
では、多様な人材とは何でしょうか?
経済産業省により下記のように定義されています。
多様な人材がいる状態のダイバーシティがある組織において、収益性・イノベーション・意思決定の成果が高まることがデータとして示されています。
上記のグラフでは 、多様なチーム(Diverse teams)が同質的なチーム(Homogenous teams)より生産力が上回っていることが分かります。
ただし、重要なポイントは"well managed"(よく管理されている)ことです。
異なる視点、経験、背景、思考、コミュニケーションスタイルを持つ人々が存在している状態だけでは軋轢や対立、誤解が生じやすく、かえって組織全体のパフォーマンスに悪影響を及ぼすこともあります。
そのため、それぞれの違いをいかし強みを発揮できるインクルーシブな状態を実現させる働きかけ、つまり"well managed"が不可欠です。
インクルージョンはダイバーシティを機能させるものであり、この2つの組み合わせ「ダイバーシティ&インクルージョン」が揃うことで組織の成長に効果的なインパクトが表れます。
文化多様性とは?
では、今回のメインテーマである「文化多様性」とはなんでしょうか?
民族・文化多様性のある組織は収益パフォーマンスが35%高くなることが、Mckinsey&Companyの調査で示されています。
このような収益パフォーマンスをはじめ文化多様性が組織にあることのメリットは研究でも明らかにされています。
では皆さんが所属する組織の文化多様性はどうでしょうか?
Randstad Workmonitorによると、「異なる文化を持つ人と働くことが好き」と答えたグローバル平均は79%である一方、日本は約半分の44%でした。
日本で文化多様性のある組織で協働する機会はまだまだ限られていることが考えられます。
文化多様性がもたらす効果とは
文化多様性が組織にあることでどのような効果が生まれるのか、3つの事例をご紹介します。
① 多角的な視点やアイデアが集まる
書籍「多様性の科学/マシュー・サイド (著)」より「2001年ミシガン大学 社会心理学者リチャード・E・ニスベットと増田貴彦の研究」の事例を紹介します。
日本人とアメリカ人に両者に水中の様子を見て、何が見えたかを回答してもらいました。
日本人は「川の流れがあり、水は青色石や貝や水草が見えた」と背景について回答、一方アメリカ人は「黄色い魚が群れで泳いでいた。模様はなく、奥にも泳いでいた」と魚について回答する傾向が高い結果が出ました。
この研究から分かるのは、「両者の注目するポイントが違うが、両方の視点はどちらも正しく、二つ揃うことで解像度も上がる」ということです。
多角的な視点が集まることでより良いアイデアを生み出しやすく、イノベーション創出に繋がりやすいことが表れています。
② イノベーションを起こしやすい
書籍「多様性の科学/マシュー・サイド (著)」において、移民は特定の思考の枠組みから抜け出して、別の新たな角度から物事を捉える力=アウトサイダー・マインドセットが強く、融合のイノベーションを起こしやすいとされています。
新天地で新たな文化を経験し、自分に合うように変化・修正し順応する高いスキルが求められるからです。
アメリカのユニコーン企業(企業評価額が10億ドル以上、設立10年以内の非上場ベンチャー企業)設立者の半数以上が移民であることもその一つの結果と言えるのではないでしょうか。(参照:workpermit.com)
③ 日本人社員のモチベーションを高める
文化多様性は組織だけでなく、日本人社員の意識の変化にも影響を与えます。
高度外国人材活用のための実践マニュアル(富士通総研)では、多様な人材が組織に加わることで、企業内のダイバーシティを高め、日本人社員への気づき、刺激を与え、モチベーションを高め、組織の活性化につながる効果が期待できるとされています。
日本人社員の言動に良い効果をもたらした結果として、下記のような事例が紹介されています。
会議などの場でも、外国人材は日本人よりも積極的に発言する傾向にあり、それが周囲にも影響を与えるようになり、自分なりの意見を積極的に発言する日本人社員が増えた。
日本人同士では曖昧なコミュニケーションを取るような内容であって、外国人材と仕事を進める上では、お互い正確かつ丁寧に説明をしなければならない。その結果、日本人社員の論理的な説明力の向上につながった。
こうした意識の変化は社員のエンゲージメントを高め、結果的に離職率の低下に繋がります。また文化多様性のあるメンバーと協働することでグローバル化への対応の必要性を実感し、グローバル人材としての成長を促進させます。
まとめ
文化多様性が組織にどんな影響があるのか、今回は事例を元にご紹介させていただきましたがいかがでしたか?
私にとって文化多様性のある組織で働くことは非常に楽しいことです。
私が初めて文化多様性のある組織に所属したのは、高校生の時でした。
中学校までは日本人ばかりの環境で生活をしていましたが、「国際学科」のある学校に入学したため、高校からは5人ほどの在日外国人の学生と一緒に生活していました。
当初、英語があまり得意ではなかった私にとって彼らとコミュニケーションを取ることは容易ではありませんでした。しかし、少しずつお互いを知っていく中で自分が体験したことのない経験や新たな発見が多くあるとともに、多様な人々と交流することへの楽しさを覚えるようになりました。
文化多様性のある組織で生活をすることは、相手のことも自分のことも尊重しながら「自分らしく過ごすこと」だと思います。
私自身も5月からの「ダイバーシティ&インクルージョン推進月間」を通して、組織の文化多様性について改めて考えて直してみようと思います!
LGBTQ+の権利を啓発するプライド月間や、女性の自由や平等について考える国際女性デーのように、多様性について考える機会がより身近になりつつある中で、5月は文化多様性の価値について改めて考えるきっかけとなることを目指します。
企業の人事・人材育成・ダイバーシティ推進に関わる方、文化多様性に興味のある方、一緒に文化多様性について考えていきましょう!
An-Nahalは、ダイバーシティ&インクルージョン推進に役立つ情報とヒントをさまざまな方法でお届けしています。
また、多文化チームマネジメントやダイバーシティ&インクルージョンに関わる研修・コンサルティングを提供しています。
自社での導入を検討したいという方はお気軽にお問い合わせください。
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