3分で理解できる環境問題のおはなし①
「昔、学校で勉強したけど、改めて環境問題ってなんだっけ?」という人たち向けに、ざっくり環境問題について説明するシリーズを数日間に渡って紹介していく。
現在、世界が抱えている環境問題のカテゴリとしては、主に以下3つ。
①気候変動
②プラスチックなどによるごみ汚染
③生物多様性の消失
今回は、環境問題の中でも気候変動について。
より詳しい内容については、環境省のHPでわかりやすく説明しているので、お時間ある人はどうぞご覧あれ。
【おさらい】気候変動とは?
まずは気候システムの概論から。
地球上に「気温」という概念が存在するのは、太陽から放射するエネルギーを地球が吸収すると地表は暖められ、宇宙空間へエネルギーが放出されると冷える、という仕組みがあるから。
自然発生する温室ガスとは、水蒸気・二酸化炭素(CO2)・メタン・一酸化二窒素・オゾンなど。これらがうまく機能することで太陽の熱を適度に温められいる状態になる。
地球が平均14℃に保たれ、人間が生活が送れているのは、自然発生的な温室効果ガスがあるからだ。
地球規模の気候システムに影響を与える事象は自然界でも発生する。例えば、地球の公転軌道の変動・太陽活動の変化などの気候システムからの影響・熱帯太平洋の海面水温が数年規模で変動するエルニーニョ/ラニーニャ現象など気候システム内部の影響などが挙げれる。
そして環境問題になっているのが、人工的な温室効果ガスだ。
人工的に発生する温室効果ガスには、CO2・メタン・一酸化二窒素・ハイドロフルオロカーボン(HFC)などがある。そのうち、メタン・一酸化二窒素・HFC等の一定量当たりの温室効果は、CO2に比べてはるかに高いと言われており、それらが史上稀にみぬスピードで増加。結果的に気温が短期間で上昇し、私たちの生活にも影響を与える要因となっているのだ。
(引用)環境省「令和2年版 環境・循環型社会・生物多様性白書」
気候変動によって引き起こされる現象は?
気候変動によって引き起こされる現象は以下3点である。
①海水温・海面水位の上昇
気候変動により過剰に海水が温められ、熱膨張により海面の水位が上昇。グリーンランドや南極の氷床の減少も既に発生している通り、今後あちこちで海面上昇が予想され、2100年までに世界の沿岸湿地の20~90%が消失するとも言われている。
地球の大半は海で覆われているため、海水温が上昇すると世界の気候にも影響を与えることになる。下記は今後世界で発生可能性のある気候変動のマップだ。
(引用)環境省「令和2年版 環境・循環型社会・生物多様性白書」
日本はこれ。海洋熱波で夏がめちゃくちゃ暑くなりそう。↓
②生態系の変化による異常発生や新たな感染症の発生など
温暖化によりこれまで寒冷であった地域が温暖になることで感染症を媒介する昆虫の生息域が変化する可能性があったり、ある特定の生物が爆発的に増殖したりすることがある。
また、気候変動による海水温の上昇は海洋生態系にも影響を与え、2100年までに世界の最大漁獲量は20〜25%減少するというデータもある。
③経済・社会システムへの影響による生活の変化
こうした気候変動にもたらされる現象により、そもそも海に沈んでしまうエリアや気候の変化により居住できない地域が増加。地域まるごと大移動が発生することが予想される。そうなると民族人種同士での衝突が発生することもあるだろう。国境のあり方も変化するかもしれない。
また、居住不可能な地域や農耕・牧畜などができない地域が一定数発生すると食糧の流通システムにも大きも大きな影響をもたらす。
食糧を手に入れることが困難になってしまう人も一定数出てきてしまうだろう。
2020年から運用をスタートした「パリ協定」
そこで、グローバルリーダー等は2020年以降の温室効果ガスの排出削減等に向けた取組を進めるための枠組みとして、パリ協定が採択。昨年から本格的な運用がスタートした。
マスト目標は地球の平均気温上昇を2℃以下、努力目標は1.5℃以下という目標数値が設定された。
平均気温上昇が1.5℃以上にならないためには、2050年前後には世界のCO2排出量が正味ゼロとなっていること。
これを達成するには、エネルギー、土地、都市、インフラ(交通と建物を含む。)及び産業システムにおける、広範囲に及ぶ移行が必要のようだ。
ちなみに、もし目標を達成できなかった時のシナリオも用意されている。
(引用)環境省「令和2年版 環境・循環型社会・生物多様性白書」
まとめ
パリ協定に記されている内容のほとんどは、「今の生活をそのまま続けることはできません!」という内容に捉えられる。
環境変動リスクはおそらくどうやっても避けることはできないものだとすると、ビジネスの最前線で意思決定をしている人たちこそ、環境問題への理解を迅速に取り入れた方がいいと思う。
現在のエコシステムが急速に変化するのは割と直近の未来だと思うので、カーボンニュートラルビジネスをいち早く理解し、どれだけ早く参入できるかが今後の事業成長の肝になるのかもしれない。
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