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読書日記『カラマーゾフの兄弟』

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カラマーゾフの兄弟を読むにあたってのメモ
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呼ばれていない同窓会に乱入する話がドストエフスキーリスペクトだった可能性

ドストエフスキー好きを自任しているが、実はまともに通して読んだ作品は『罪と罰』『死の家の記録』だけである。『罪と罰』は2〜3回、『死の家の記録』はおよそ100回は読んでいるので良しとする。『カラマーゾフの兄弟』は父殺しの容疑で長兄が糾弾されているあたりで一時ストップしている。他にも作品をいくつか所持してはいるのでちょっと読みかけてそのままになっているものが多数。そのままの状況もどうかと思い、腰を据

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『あひる』

いい歳をした大人のくせに「私なんて長所ないし…」みたいないじけたことをTwitterで言って、そんなことないですよ!という反応をもらい愉悦に浸るという気持ち悪い面が自分にあることを認めなければならない。こないだそういう発言をしたら「いいところありますよ!かわいい犬を飼ってるところ!」と言ってくれた人があって、でも犬がかわいいのは犬自身の長所であって私の長所ではないと思うので慰めてもらっておいてなん

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読書日記_6『カラマーゾフの兄弟』

カラマーゾフ・ファミリー(と言っても、主にいがみ合っているのは父フョードルと長男ドミートリイですが)の骨肉の争いに深く関わる二人の女性が表舞台に出てきました。カテリーナとグルーシェニカです。私のぱっと見の印象ですが、

カテリーナはとにかく誇り高く潔癖。お金に困窮した彼女の父を助けるために金策に奔走しあやうい交渉をしたかと思えば、今度は放埒でお金遣いが乱脈なうえグルーシェニカに惚れて自分との婚約を

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読書日記_5『カラマーゾフの兄弟』

上巻の中間地点を過ぎたところである。スメルジャコフ(この本における重要人物の一人です)という厭世的な料理人が出てきて、異教徒の捕虜となり改宗を迫られるのを拒絶して殉教した者だけが称えられるのは本当にリーズナブルなことなんですか?拷問を恐れて改宗することになってしまった人も赦されるべきでしょ?みたいな議論を始めていて、興味深いです。スメルジャコフっていう名前、なんかsmellという英単語を想起するか

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読書日記_4『カラマーゾフの兄弟』

ストーリーとしては、カラマーゾフ家のごたごた(主に財産の分配や女性関係のもつれ。特に、父フョードルと長男ミーチャが両方ともグルーシェニカという女に惚れて取り合っているが、ミーチャには本来カテリーナという婚約者がいる)を解決すべく修道院で話し合いがもたれたのだが、遅刻した長男ミーチャが登場した途端あっという間に話がこじれて何もかもめちゃくちゃになって散会したところである。この小説のすごいところは、な

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読書日記_3 『カラマーゾフの兄弟』

いま、修道院にてゾシマ長老同席のもとカラマーゾフファミリーの会合が行われていて、やっと長兄ドミートリーが遅刻して現れたところである。読み進めたのは124ページ。この辺りで、次男イワンと修道院の面々とミウーソフが神学的な議論(教会の在り方とか、罪の赦しについてとか)を始めるのだが、そこが少し分かりづらくて時間がかかっている。こういう小難しい議論の箇所を読み飛ばして父殺しのドラマ・パートだけを追う読み

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読書日記_2 『カラマーゾフの兄弟』

毎晩少しずつ読み進めるのを生活の支えにしているが、週末キャンプに行くことになった。知っているかもしれないが、夜の帳がおりたキャンプ場というのはかなり暗くて紙の本が読みづらい。こういう時にKindle端末は重宝する。ちなみに私はKindle Paper Whiteという端末を使っている。むかしiPadかKindle Paper Whiteかで迷った時、後者の方が容量が大きくてシリーズ物の漫画とか読む

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読書日記_1 『カラマーゾフの兄弟』

カラマーゾフの兄弟はかなり長い話で筋が複雑らしいので、簡単な記録を取りながら読み進めることにした。新潮文庫昭和53年発行で、訳者は原卓也という人だ。

まだ最初も最初、「第一部 第一編 ある家族の歴史」を1日5〜10ページ程度のペースで読んでいる。下品で粗野で金にうるさい父フョードル、その3人の息子であるドミートリイ、イワン、アレクセイの簡単な人となりの説明が主である。ロシア小説の常で、ひとりの人

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