デネブ刑事の事件簿より お題:彦星誘拐 裏お題:織姫妖怪
本文
アルタイル財閥次期頭首誘拐事件は未だ進展がない。
犯人からの連絡が来なくなった。
要求および犯人像を絞ろうにも、連絡がないならやりようがない。
「妙だな…」
デネブ刑事は違和感を覚えていた。
大財閥の次期頭首だ。
てっきり身代金かと思っていた。
まず、身代金の要求がない。
身代金目的ではないなら辻褄が合う。
次に、誘拐が発生した時刻だ。
夜遅く、時間帯としては帰宅後であろう。
実際防犯カメラに帰宅直後の映像が残っている。
その後彼は消えたのだ。
何の予兆もなく。
誘拐と断定されたのは、1枚の紙きれが残されていたからだ。
シンプルに、たった一言。
虱潰しに聞き込みをするか。
そう思ったとき。
手持ちハープが目に留まった。
根拠はないが、何か関係があると踏んだ。
直感で。
弦に触れてみる。
落ち着かせる音色だ。
あの世の神ですら感服してしまう。
はて。何故そんなことを思いついたのか。
気付かぬうちに新たな紙切れがあった。
犯人は、この世のものではない。
そういえば、最近「ベガ」という女性が亡くなっていた。
彼とも恋仲になっていた。
女性の執念はすさまじいと聞くが、甘く見ていたのかもしれない。
あとがき
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