![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/40697293/rectangle_large_type_2_6502db68cc0e9e682184a4fdc37c33d8.jpeg?width=1200)
ショパンの愛した街で
2019年10月、初めて一人海外旅行でポーランドを旅した。
ワルシャワ空港に着いたものの、日本語表記の看板はもちろん一つも見当たらず、自身のへたっぴな英語のせいでロクに会話も通じない。
SIMカードを買ったのだが、Icloudのパスワードがわからず、その上差込み口を開けることすらもできない。(細い針が必要だった)
なんとか売店の兄ちゃんに状況を伝え、ポーランド仕様のスマホに変えることができて、ようやく旅のスタートというような一人旅になった。
別に旅行のエッセイを書くわけではないので、長ったらしい前置きはいらないのだが、ともかく大変な一人旅だったことだけ伝えたかったので、説明させていただいた。
ポーランド、ワルシャワはかの有名な音楽家、ショパンが生まれ育った街だ。優雅なヨーロッパ建築が立ち並び、街の至る所に緑豊かな公園が多くあり、どこを歩いても飽きさせない、そんな素敵な街だった。
そもそもポーランドに出向いた理由は、小学生の頃に読んだピアノの森というマンガの中でポーランドが描かれており、そこから憧れを持ち旅に出たという具合だ。
アウシュビッツ収容所などの有名観光地から、街で行われているピアノのリサイタルなど、様々な物を堪能した。
その中でも、夕方17時ごろから飲む、ビールが最高に美味しかった。
街中を歩き、色んな人に出会い、自分がこの街で何を見て何を感じたのか、自分の感情に耽りながら飲むビールが本当に格別だった。
昔は家の近くにしか一人で行けなかったのに、今じゃ海外で一人でビール飲んでるんだもんなあと、昔の自分に対して優越感なんて持つことも。
ショパンや、ポーランドの偉人もこうやって飲みながら何か考え事をしていたのだろうか、過去に同じ場所で生活していた人たちを思い浮かべ、自分と照らしながらお酒を飲んでいると、ノスタルジックな気持ちになっていた。
いなくなった人たちには会うことはできないけれど、その人たちを思うことだけはできる。
ポーランドという街とビールを通じて、その街の歴史や過ごしてきた人たちの風景を感じることができた。
コロナで今はなかなか海外に行けないけれど、またいつか自由に夢想できる旅がしたい。
特にオチもないけれど、僕はこうやって飲むのが好きなんです。