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不思議な話・・?・・そうでもない話

いつもありがとうございます。
そしてはじめまして、note初心者、ぞうさん。と申します。

以前書いていた日記が、熊本地震の被害で破損していまい、残った読める箇所を何かの形で残しておきたいと思い、noteをはじめました。

また、日々の出来事など、不定期で綴っております。


妻を病気で亡くし、私たち親子三人、実家の熊本に帰って来ました。
上の子が2歳前、下の子が1歳になる前でした。

実家があるとはいえ、まずは仕事を探さねばならない状況でした。
また一からのスタートでしたが、なんとか決まりました。
子供が病気がちで、冬場は流行りの嘔吐下痢症などで、二人同時に入院するといったこともありました。
また、保育園の行事や、正社員であるため出張や勉強会なども重なり、ある時自身が過労で倒れ、入院を余儀なくされました。

両親とも話し合った結果、子供が小さいうちはまずは子供を優先出来る仕事を見つけた方がいいこと、時間の不規則な仕事ではなく、きちんと週末休みが取れるところがいいのではないかということ、自分が無理をしては本末転倒だということなどの結論に至り、退職の道を選びました。

父も、「慌てて探さんでもよかよ。まずは体調整えて、ゆっくり仕事見つけるたい」と言ってくれたこともあり、その言葉に甘えることにしました。

退院してからは、子供の送り迎えをしたり、両親の病院に付き添ったり、親戚の叔父の買い物に車を出したりと、リハビリも兼ねてとてもゆっくりリフレッシュが出来ました。

求人広告に目を通したり、ハローワークに行ったりと、合わせて就職活動の準備も出来るくらいに回復し、これからのことを意識し始めました。

この歳での再スタートは意外と厳しく、家から通えることや、休みの融通が効くことなど、条件に合う仕事がなかなか無く、書類選考で数社落ちたりもしていました。

あれはいつだったか、暖かい日の週末、いつものように子供たちを連れてお墓参りに行った時のことです。
お水を替え、線香をあげたり、水垢を拭いたりしている時でした。

「パパ!パパ! 見て!ヘビがおるよ!!」

息子が大きな声で指さします。
そこに目をやると、かなりの体長の大きなヘビが独特の動きで、舌を出しながら、こちらを威嚇しているように私には見えました。
咄嗟に近くにある長い棒を手に構え、私は何を思ったのか、そのヘビを攻撃しようとしたのです。いわゆる毒ヘビだと思ったのか、今でもその種類は分からないのですが、子供も近くにいるし、とにかく退治しなきゃと頭はその考えでいっぱいでした。

長い棒を振りかぶり、ヘビめがけて攻撃しようと試みた時、

「パパ!!ダメ!!ヘビさん倒したらダメよ!!」
と息子が大声で言ったのです。

びっくりした私は、振りかぶった手を止め、
「え、なんで?噛み付かれるかも知れんとばい!」
と言いました。
すると息子が、
「このヘビさんにも赤ちゃんがおって、巣でご飯を待ってるかも知れんでしょ?殺したら赤ちゃんヘビがかわいそうやん。逃がしてやって!!」
そう言いました。

私はハッとして棒を下ろし、ドキドキした胸を撫でながら
「ごめんごめん、パパが悪かったね、瞬の言う通りや」
と言いました。

ヘビは何事もなかったかのように茂みへと消えて行きました。

お墓参りを終え、「瞬は優しいねー!」なんて話しながら、三人手を繋いで帰りました。
娘も、「ヘビさん帰ったかなぁ?」
と子供ながらに心配している様子でした。 

数日後の朝、三人で食事をしていると、父がやって来て、「そう言えばな、今日な白いヘビの夢見たよ。枕元にな、大きなヘビが這ってきたぞ。なんかいいことあるかも知れんなぁ。」と、笑いながら話して来ました。

その次の日、電話があり、私の第一希望の会社に就職が決まりました。

子供達にその話をしたのですが、仕事のことはあまり理解してなさそうでした。「瞬のおかげでパパ、いい事あったよ。ありがとな。これからも生き物には優しくしていこうな」と言いました。 

息子もヘビの夢を見たらしく、保育園で先生にその話をし、クレヨンでヘビの絵を描いていたようです。

私は今も、その会社で働いています。




 

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ぞうさん。
私の記事に立ち止まって下さり、ありがとうございます。素晴らしいご縁に感謝です。