スペースで話したこと:Anizine
昨夜は江口ともみさんと平林監督とのスペース。
どちらもスペースに参加するのは初めてとのことで最初はギクシャクしたものの、話し始めるといつも通りのトーンになった。それぞれの仕事の受け方や自己プロデュースという興味のある議題が一番盛り上がった部分。俺たちふたりは裏方であり立場が似ているが、ともみさんは表側の「タレント」というスタンスから別の視点を提示してくれた。
平林監督は新入社員の頃から知っているんだけど「謙虚な仕事人」というスタイルで確実に実績を積み重ねてきた。俺と正反対で真似できないと思っていたから、とても尊敬している。でも年齢を重ねるにつれて外から見られている立場が変化しているのを本人だけが認識できなくなる場合がある。40を過ぎた頃から、平林監督は若い頃の謙虚さを維持し過ぎているような気がしていた。
俺とは違って、「あいつは偉そうでムカつく」とおそらく一度も言われたことがないと思う。それは持ち前の性格だからいいんだけど、年齢を重ねた仕事人になるとそれだけではダメなことがある。相手に、「私は価値ある人に頼んでいる」という手応えを与えられないのと同時に、悪い言葉で言うとナメられる可能性がある。
我々のように「何かを作ってさえいれば幸せ」という人種は目の前に与えられた仕事を淡々とこなすことに慣れていて、それだけで幸福感に包まれる。スケジュールがビッチリビチビチというのは何にも代えがたい精神安定剤だ。しかし、ともみさんが言った、「今後の自分にプラスにならないと判断した仕事は引き受けないこともある」という言葉には大きなヒントがあった。そこ。そこなのだ。このあたりから、話はどんどん生々しくなっていく。
多分、俺の方がお金は持っていると思うんだけど、どうしてもと言うならありがたくいただきます。