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粋と野暮:写真の部屋

写真は、撮影の技術だけで撮るものではありません。地球の環境や生態系保全を考えている人がいて、自分の理想を食事に反映するからヴィーガン料理を作るように、「なぜこの着地点になるのか」が大きな問題です。流行っているからヴィーガン、とかではなく、出発点が大事です。

世の中には無限とも思える写真がありますから、自分が撮る一枚には自分が写っていなければ無意味です。私はそこを「粋と野暮」という基準で判断しますが、これもまた好みの問題です。全員が自分だけの基準を持てばよくて、そこには正解などありませんが、『基準が存在しない』というのだけはアウトだと思っています。撮る理由が生まれないからです。

昨夜、マクドナルドのロゴマークを撮りました。マクドナルドの広告を頼まれたのではないのでどんな撮り方をしても私の自由です。

ウーマンラッシュアワー村本くんのトークイベントに行き、そこでも仕事に使うわけではない写真を撮りました。

帰りのタクシーの中から見えたファミリーマートの二本の光を撮りました。これはコーポーレートカラーで、この二色があればファミリーマートだとわかります。「これがファミリーマートの店舗ですよ」という目的をわかりやすく伝えるなら、昼間、はっきりと外観が見える写真を撮るでしょう。しかし自分が撮りたいのはそういうものではありません。説明的な「野暮さ」は広告写真に任せておけばいいのです。最低限、この二本の線だけでもファミリーマートだなとわかる、と感じた面白さが自分の中の正解であり、(自分が考える)粋なのだと感じています。

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写真の部屋

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人類全員が写真を撮るような時代。「写真を撮ること」「見ること」についての話をします。

多分、俺の方がお金は持っていると思うんだけど、どうしてもと言うならありがたくいただきます。