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未経験だったこと:Anizine

数日前からパリに遊びに来ていますが、18世紀から何も変わっていないこの街では、いつもと同じようにカフェで友人とコーヒーを飲んだり食事をしたりするだけの毎日です。私は日本ではいつも渋谷にいますが、たくさんの外国人観光客が「自動販売機でジュースを買っている写真」を撮っているところに出くわします。彼らにとっては馴染みのないもの、東京で見たスカイツリーや浅草寺ではなく、自販機が面白いのだと思います。

私がパリに来るのはおそらく40回を超えていますが、エッフェル塔や凱旋門は数回見たところで「必ずそこにあるもの」として認識されてしまうんですね。わかり終えたというか。でも、こっちに数十年住んでいる人が時々アップする「今夜のエッフェル塔は綺麗だった」というのともまた違う。見ている風景をどれくらいフラットに、等価に受け取れているか、というのは大事なんじゃないかと思います。

さて、パリから帰る頃になって「外国の地で未体験だったこと」に遭遇しました。簡単に言うと大ピンチです。命の危険を感じましたから。そしてその危険はまだ、今も続いているのです。

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Anizine

¥500 / 月

写真家・アートディレクター、ワタナベアニのzine。

多分、俺の方がお金は持っていると思うんだけど、どうしてもと言うならありがたくいただきます。