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アニメーターは稼ぐ気がない!?
アニメーターの待遇が改善されない理由は、多岐に渡りますが、私は個人的に一番大きいと考えているのが「そもそもアニメーター本人が稼ぐ気がない」という点です。
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「アニメーション制作者実態調査2023」によれば、約半分以上のアニメーターが、自身の現在の収入水準に不満を感じていません。
一方で「老後の生活設計における不安」については、約70%のアニメーターが不安を感じています。
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この調査だけを読み取ると、多くのアニメーターが「収入水準には不満がない一方で、老後の生活設計には不安を感じている」ことがわかります。
ここからさらに私見を発展させると、おそらく多くのアニメーターは「お金」に対して、クリーンな印象を抱いていないのではないでしょうか。つまり「稼ぐ」というモチベーションが薄いのです。
ここで「仕事継続理由」を見てみると、多くのアニメーターの継続理由は「仕事が楽しいから」です。
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これらのデータを見るに、多くのアニメーターは「お金を稼ぐため」に仕事をしているわけではなく、自分の好きなことを仕事にできていることが、モチベーションになっていることがわかります。
つまり、極論を言えば、アニメーターは稼ぐ気がありません。自分たちの生活が確保できるのであれば、それでいいと考えているように、データからは推測できてしまいまうのです。一方で、将来の生活設計にはちゃんと不安を感じています。
しかしこれは、冷静に俯瞰してみると、アニメーターに限らず、日本全体が「あまり稼ぐ気がない」ように思えます。
私たち日本人はどうも「稼ぐ」という行為に対して嫌悪感を抱いているようで、それが「収入には満足しているけど老後は不安」というアンバランスな思考につながっているのではないでしょうか?
私が思うに、この根本的な部分を解決しない限り、アニメーターの待遇改善および日本の1人あたりGDPの向上は「無い」と考えます。
そのために私は、今回の「アニメーターの現状と待遇改善に迫ったドキュメンタリー映画制作」で「アニメーターの"個人戦略"」に焦点を当てました。
アニメーターの中でも「ちゃんと稼ぎたい」という一部の方々に向けて、私はドキュメンタリー映画を制作したいと考えます。
ぜひご支援のほど、よろしくお願いします。