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逃げる月、凍える月。
届きました。
BUCK-TICKの最新シングル「MOONLIGHT ESCAPE / 凍える」。
タイトル発表時から期待していた「凍える」。
ようやくフルで聴けました。
好き。すごく好き。
美しすぎて泣いた。
イントロだけで泣かせにくるヒデ曲。
今回もやられた・・・。
~死んでいる 生きてもいるか~
という歌詞から始まる曲が優しい子守唄だなんて。
思ってもいなかった。
先日のYoutube特番で「凍える」について、
メンバーが口をそろえて「ヒデらしい」「ヒデ節」と表現。
うん。もう、それ以外の言葉は浮かばないよ。
美しいメロディー。
物悲しくて、あたたかくて、優しい。
「MOONLIGHT ESCAPE」の
優しい低音や伸びやかな声ももちろん好きだけど
「凍える」でのあっちゃんの
憂いや切なさを秘めた声のゆらぎ、
声から滲み出る刹那に胸が震える。
重なる声(音)が醸し出す、奥行きと重厚感。
なのに、透明感もあって。
あぁ、まるで
月明かりの下、青白く光を放つ氷山のようだ。
などと思う。
(そういえば、氷山にはたくさんの命の欠片が眠っている。)
***
うんざりするような毎日。
そこから逃れるように、ずぶずぶと眠りに堕ちる夜。
眠りという闇への、ひとときの逃避。
だとしたら、せめて眠りの中ではやすらかに。
この子守唄とともに。
そして、すでに眠りについているものたちも
どうかやすらかに。
・・・そんな祈りにも聴こえてくる。
***
罪だとは言わないで 眠りたい ただそれだけ
~凍える(作詞・櫻井敦司 / 作曲・星野英彦)
神様お願いだ 僕の事をゆるしてねESCAPE
~MOONLIGHT ESCAPE(作詞・櫻井敦司 / 作曲・今井寿)
「逃げることは、罪ではない」
これが、すぐに浮かんだ今回の2曲の共通点。
逃げることは、自分への愛や労り。
そして強さだと、私は思う。
立ち向かい、闘い続ける
「わかりやすい強さ」だけが強さではあるまい。
逃げる勇気が、自分を守ることもある。
櫻井敦司の描く世界は、
一見(一聴?)暗く救いがないようでも
必ずその根底に優しさがある。
その弱者への優しい眼差しは
弱者が持つ「本来の強さ」への信頼ではないか、と思うのだ。