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6室と12室、此岸と彼岸 その1

12室は押し入れであり、潜在意識でもある

12室は潜在意識と似ています。いわゆる外から見えないという点では、まったく同じです。潜在意識は便利なもので、いわゆる押し入れにも似ています。

今、目の前の問題で、すぐには解決できないような問題は、潜在意識の中に入れて、とりあえず目の前をクリアにします。見えなくなることで、とりあえずホッとするわけです。

これは日常の生活の中で、誰しもがやっていることではないでしょうか?

部屋が散らかっている時に、客が来るとなると、取り急ぎ、何でもかんでも、押し入れに放り込んで扉を閉めてしまえば、外から見えません。

それと似ています。

すぐに対応しきれない問題は、押し入れに入れて、先送りするということは、当たり前に行われていることだと思います。しかし、実際には問題は解決されたわけではなく、先送りされただけということですね。

「見えなきゃいい」という、多くの人が当たり前に使っている、大変便利な対処法ですが、実際には先送りしすぎたことで沢山の混乱を引き起こしているのが、今という時代なのではないかとも思います。

よくわからないものとか、隠しておきたいものは、すべて12室に押しつけてしまった結果、混乱してしまっているというのが、今の12室問題なのではないかと思うわけです。なので、この考察では、なるべく12室について、クリアにシンプルに構造的に分析できたらいいなと思っています。

6室も12室も問題解決

問題解決は基本的には6室案件です。しかし、6室的なやり方では時間がかかりすぎたり、法的に問題が出るような場合、どうしても速やかに解決できないから、そこをなんとかしようというのが12室ということになります。

そういう意味では、12室は、外から見えない、外からは理解できないやり方というだけで、問題を解決するということに関しては同じことですね。

6室は「私の方法で解決する」、12室は「あなたの方法で解決する」というのが、シンプルな、元々の解釈だったのかも知れません。6室が「わたしの面倒事」であるのに対して、12室は「あなたの面倒事」なわけですしね。

6室が此岸の解決法であるならば、12室は彼岸の解決法と言っても良いのではないかとも思います。

もともと、私が知らない方法=私から見えない方法=あなたの方法、だったものが、だんだんと「隠れてやる」とか、「見えないようにやる」とか、「わからないようにやる」というようなニュアンスに変化していき、やがて「秘密の部屋」と言われるようになっていったのかも知れません。

そこから転じて、仕組みのよくわからないシステムだけど、このやり方を使えば問題を解決できるとか、科学的とは言えないけれど、そのやり方を使えば現象を説明できるとか、そういう、ブラックボックス的なものを含んだもののことも、拡大解釈して、12室と言うようになっていったのかも知れないなと思いました。


奴隷解放運動

先日も言及しましたが、アメリカの奴隷を救うために、法律を破るしかなかった人たちのことを考えてみましょう。

その時代には奴隷制度は合法だったわけです。そのような基本的人権が認められていないような社会では、人権よりも法律の方がより上位概念ですから、もし奴隷を救おうとするならば、隠れてやるしかありません。見つかったら逮捕されたり、罰せられたりするわけです。

しかし、実際にそのリスクを承知で、逃亡した黒人を匿ったり、逃げるのを手伝った人たちもたくさんおられました。

合法的にできないなら、隠れてやるしかないというのは、12室的な問題解決だったと言えるでしょう。

それと同時に、人権意識に関しての啓蒙活動をし、政治的な方向から、黒人を助けようとした人たちもいます。

どちらも黒人を助けようとしたわけですが、法律を変えて正攻法で助けるという部分は、表の活動であり、こちらは6室的なやり方だったと言えると思います。

ここまできて、問題自体が6室問題として解決できるものなのか、それとも12室問題として扱うしかないものなのか、その時代を生きる人々の集合無意識に寄るところが大きいようです。人々の意識の進化の度合いによって、境界は変るという事になるのでしょう。


あらためて定義してみよう

要するに、時代とともに、6室と12室の守備範囲は変ってくるという事になります。もし、そういう側面を反映させて、6室と12室を再定義するとしたならば、こんな感じになるのかなと思い、書いてみました。

6室 
私の方法で解決する。
社会の中で、認められている基準に基づいて解決する。
公開可能なやり方。見えているやり方。

12室 
あなたの方法で解決する。
社会では公式に認められていない方法で問題を解決する。
秘密のやり方。見えないやり方。隠れてやる。


量子力学と波動関数

これに似た問題が量子力学の波動関数だと思っています。その計算の中では虚数という概念がでてきますが、物理学者の方に聞いても、虚数がこの三次元の世界において、何を意味しているのか、答えられる人はいません。

しかし、この波動関数を計算をすることで、量子の振る舞いを予測することができますし、実験結果とぴったり合う訳なので、中身の正体はわからなくても、使えるのだからいいじゃないかという姿勢でずっとやってきたわけです。その結果、今のすべての電子機器は爆発的に発達することが可能となりました。

今では、電気や電子機器がない生活は考えられませんが、実際のところ、未だに最先端の科学者でも、素粒子が何か、虚数がなぜ出てくるのか、説明できる人はいないのです。

私にわからないことだから、やはりそれも12室問題なわけですが、じゃあ、それをわかっているはずのあなたはどこにいるのという疑問は出てきます。

このあたりが12室問題をわかりにくくしている原因なのかも知れません。思うに、この「あなた」のことを神と呼んでもいいかもしれませんし、もしかしたら進化した未来の人間ということもできるかも知れません。

いずれにしても、現代社会は12室に支えられていると言っても過言ではありません。よくわからないブラックボックスに依存してみな生きているというのが実情です。それはまるで自分が何ものかを忘れてしまった物語の主人公のようにも思えてきます。

だから、こうして12室について言及することは、宇宙の神秘を探求することにつながっているような気がするんですよね。わたしとあなたは此岸と彼岸です。12室の謎を解明していくことはとても大事なことだと言う気がしています。

意識を進化させるプロセス

このように考えてくると、6室「わたしの面倒事」は此岸の知恵での解決法であり、12室「あなたの面倒事」は、彼岸からの知恵、より高次の知性を使った対処法であると言えるかも知れません。

将来、科学が今より進歩したり、人間の意識の対称性が拡大したりすれば、12室だったものが、だんだんと可視化されて、やがて6室に移行していくかも知れません。きっとそうやって世界は進化していくのでしょう。

しかしながら、今の人類の科学にとっても、まだ量子力学の核心の部分は「見えていない」わけですから、実際のところ、我々の社会は12室案件に裏支えされていると言えると思います。「見えない」けど結果だけは受け入れて使っているわけです。


12室のメリットとデメリット

このように、よくわからないことも入れておけますから、12室は便利です。しかし、便利だからと言って、何でもかんでも、12室に入れて運用してきた結果、今の社会の混乱も引き起こされてきたのではないかとも思うのです。

だから、構造を理解することはとても大事だと思います。もし構造を知っていたならば、してもいいことと、してはいけないことの区別がつくでしょうし、加減という物もわかりますから、ためすぎないうちに、ブレーキが自然にかかるだろうと思います。

12室には、表に出せないものはなんでも入るから、卑劣な犯罪であったり、人に見られたくない破廉恥な姿であったり、人を裏切るような行為も、隠すために入れられたりします。悪事を隠すためにも、12室はとても重宝します。

しかし、潜在意識に秘められた感情が、後々現実化するのと同じように、12室に入れ込まれた様々な破廉恥なことも、また社会に還元してくるのではないかと思われます。

今の時代、様々な理不尽なことが起こっていますが、そういうことの元凶が、実は人間がかつてしてきたことの結果だったとしたら、どうでしょう。安易に12室に隠して、ずっと見ないできたものが、形を持って現実化し、私たちに何かを教えてくれようとしているのかも知れません。

ですから、12室についてクリアにしていくことは、とても大事なことだと思います。うまく使えれば、人間は進化の方向を向かいますが、下手をすれば、どうしようもない泥沼に足を取られているのかも知れないわけです。

特に気になるのは、ブラックボックスに依存した文明の行く末です。それについても続けて書いていきたいと思いますが、長くなったので、この話、次回に続きます。(o^^o)



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