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機微は川面に映る家々のあかりと同じ数だけ揺らいで見えた

浮かぶまま、思い出すままに
自分のために

昨日いた場所と今日いる場所が
違っていても私は相変わらず
私のままでいる

就業時間が終わっても
終わった気がしないのは
終わらないことが多すぎるから

やり残したことを積み残すうちに
全部がどうでもよくなってしまうのが
私はとても怖い
やり残したことを積み残すうちに
大事なことを忘れてしまうのも
私はとても怖い

それなのに毎日モヤモヤとこんなことを
考え続けるのは一体何故なんだろう
セミやスズムシが鳴いているのに
それがどこにいるのかまるで
分からないのとおんなじだ
きっと大抵の人は気にならないんだ

今日はいつもの場所で野良猫が大集合
よるのアスファルトを独り占めしてる
みたいな顔で一瞥される

マダニにやられた茶色も
サークルを描く白色も
ベンチでだらしなく寝る黒白も
何だか今日はよそよそしく
遠ざかっていった

いろいろなことを知るとかえって
怖くなることがある
命のことや、体の仕組みのこと
何かに定義をつけること
それらは誰かが抱えながら
折り合いをつけたり
受け入れたりしていること
それなのにそれとは関係のない
私が怖くなるのはとてもとても
良くないことだと思う
それなのに怖くなることを
抗えないでいる



21時を過ぎた
今日の私はあと3時間
あと3時間で何ができるだろう
あと3時間で何をしないといけないのだろう
タイミングよく青になって
止まらずに渡ることができた
高速道路下の道
右手を横に広げたその先に
スカーフェイスの月がいて
雲間に入ったり出たりする
それって何のメタファだろうと
すぐに何かに結びつけることは
今はしたくないから
ひとことだけ声に出してみる

『ねえ』


たんなるにっき(その51)

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りよう
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