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白色満ちて未だ森のなか
枝がしなる
雨にはない
雪の重みに耐えている
積滞し続けるものを解かすため
漂白する我が身
対して枝はただひたすらに
そこにいる
訪れる夕暮れ
白色と灰色の濃淡に
南へ向かう鳥の群れの影がさす
薄くともひかりは
まだそこにある
解けるよりさきに雪は積もる
繰り返される明け方の浅き夢
記憶は次第に偏重し
どうしてか灰色の方だけが
ずっと底にいる
起き続ける偶然は
実りがあった時には奇跡になり
そうではなかった時には
忘れ去られてゆく
どんなに強き願いがあろうとも
息が白き粒子になって溶けるように
もうどこにもない
かのようになる
起き続ける偶然は
実りがあった時には奇跡になり
それはたぶん
ねえ、とかけた声に
何?、と返事があった時に似ている
生きるためだけの息を繰り返している
それが今の我が身
白色と灰色の冬
目に見えぬ六花
決して自ら望んだわけではない旅
雪が降る森に入り
今は雪のない場所を求めている
◇
ノマドシリーズ
セルフライナーノーツ
以前も何度かあった『夢のなか文学』
夢を書き写すこともあるけれど
夢のなかで文字を書いている私がいて
それをそのまま書き留めたもの
ややこしい出来事
それを夢と現実の狭間で揺れる
寝惚けた私がスマートフォンに書き留める
それもまた夢なのかと思いながら
朝目覚めるとたしかに残っていた
不自由でややこしい
もはや私が書いたものなのかも判然としない
勝手に流れる映像を書き留めるのが
ノマドシリーズだから
これがノマドのことかはっきりと分からないけれど
何となくそんな気がするから
それで良いだろう
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