見出し画像

forbidden lover

左目だけが泣いている
指で拭ったときに、人差し指の指紋が
浮いて見えた

秋の風は吐息交じりのハイトーンボイス
短音だけで奏でるピアノのメロディは
鍵盤を奏でるたびに
心のなかの糸が弾かれるようだ

tightropeが揺れるたび、
食い止めていたものが涙袋からこぼれる
広葉樹は役割を終えて土に、根に寄り添う

fall of the leaf in fall
夏に落ちた恋は、落ち葉と共に終わる

fall of the leaf in fall
夏にうけた熱いほどの体温は、今はもうない

思うままに飛び込んで、
思うままに両目で泣けるような
恋を次はしようと決めて、歩き出す

次の恋は
自分の焦がれる想いの熱さ
のなかではなくて
互いをあたため合う心地よさに
身を寄せていたい

次の恋は
ページをめくるたびに薄皮が剥がれて
いくようではなくて
イグルーのなかにふたりだけでいる
ものがたりが良いなと思う


いいなと思ったら応援しよう!

りよう
よろしければサポートをお願いします。自費出版(紙の本)の費用に充てたいと思います