日本の公道(道路)の利用ルール・規則・考え方を考察していく
「公道(歩道・車道)」のルール・規則、考え方について紹介します。
まず、「公道」とは基本的に、人が歩く、車が走る、という目的を前提として道路所有者(国、都道府県、市町村)と道路交通課(警察)が管理をしています。
つまり、公道のことなら「県庁や市役所」へ、交通関係のことなら「警察庁」へってことです。
今回は、道路を利用するうえでのルール・規則について愛知県警交通課にヒアリングをしました。
道路を歩行者天国化する近年の流れとは?
近年、国土交通省からも、道路空間の利活用に関する検討会や制度ができました。
つまり、道路や公園といった行政が所有する土地を利活用し、「ネットワークの機能(人や地域をつなぐ)」と、「空間の機能(地域やまちを創る)」を組み合わせた、賑わいを創出する歩行者天国などが全国に広がっています。
道路の利用をするときの許可について
結論からいえば、道路上にオープンカフェや看板などを置いて利用する場合は、国や行政の「道路占用許可(どうろせんようきょか)」があれば、一定の施設を設置(常設)して利用できます。
またイベントや祭りなど期間限定で利用する場合は、警察庁の「道路使用許可(どうろしようきょか)」があれば、道路内で一時的なイベントを行うことは可能です。
いずれにせよ、通常は車や人が利用する道路の目的を、一時的であれ、違う目的で使う以上、そこに関わる人たちに知らせる必要がありますね。
道路の利用をするときの道路の種類、管理者、管轄部署
高速道路/国土交通大臣/〇〇高速道路株式会社
一般道路(国道)/国土交通大臣/〇〇国道事務所
一般道(その他)/県知事/県土木事務所
県道/県知事/県土木事務所
市道/市長/市建設部など
がそれぞれ窓口となります。
道路を特別な目的で利用するとは?
「道路を特別な目的で利用するときは、
・常設の設備やオープンカフェ(常時)
・歩行者天国(終日)
・イベントや祭り(数時間)
などによって規則・ルールが異なります。
たとえば「歩行者天国」では、道路の一画から自動車を締め出し、一定時間歩行者の自由を認める場所になります。
使い方として、車道から歩道へという、歩行者中心の道路にします。
つまり歩行者天国では「休憩施設の目的」のみ可能だそうです。
いずれにせよ、時間は、警察による道路規制と信号灯変更、進入禁止などの警備が必要となるため、事前に管轄の警察署との協議が必要となります。
交通計画の変更申請について
公道は物流の生命線でもあります。
人や車の通行はもちろんのこと、物資の輸送などの交通施設としても重要な役割を担っています。
しかし道路を一時利用あるいは常設利用する際に、民間企業にどの程度影響が与えるのかを把握するのは困難なことです。
具体的な対策としては、迂回路の確保、メディア等での周知、緊急時の対策などが挙げられます。
ここについては進捗をまた共有します。
屋外広告物について
つぎに屋外広告物(広告看板等)についてです。
屋外広告物(広告やポスターなど)は、屋外広告物法の規制対象となり、一定規模以上の広告物や動画を映す場合は協議が必要です。
今回のような道路を特別な目的で利用する場合には、屋外広告が有償・無償に問わず、一定期間利用には規制はないようですが、「毎週末」といったような常時利用の場合は「道路使用許可(警察)」や「道路占有許可(市町村)」が必要になる場合があるそうです。
まとめ
道路の歩行者天国などにおいて、道路(歩道・車道)を一時利用、あるいは常時利用するには許可が必要となります。
一時利用=警察庁
常設利用=国や市町村
またイベントや祭りを実施する際は、加えて交通計画の変更を鑑みて、民間や周辺への事前通知、緊急対応や事故防止対策の徹底、また保健所や消防署への申請書なども必要となります。
まず必要なことは、
・市町村や警察の事前許可
・事前に図面の提出
・詳細なイベント内容
を整えたうえで、日時を決めて関係各所へ協議を行う事とのことです。