姿勢を鍛えよ(全文無料)
今日も今日とて柔術は楽しい。今日は姿勢の話。柔術的にはベースと言い換えてもいいと思います。専門家に聞くのがいちばんですが、とりあえず現時点で自分が学んできたことをまとめてみます。
1.姿勢は超大事
姿勢は大事です。「姿」の「勢」ですから。
なぜ姿勢が大事かというと、「より強い出力が出せるから」「ケガをしにくい」というシンプルな理由です。
姿勢、構えが悪いとどんなにパワー、筋力、スピードがあっても勝てません。これはほとんどのスポーツで同様だと思います。強い選手は姿勢や構え、佇まいがきれいです。
そして、無理のある姿勢はケガをします。
直接相手とコンタクトする格闘技では姿勢の重要性がより顕著になります。
2.よし、じゃあいい姿勢を意識しよう。 ←いやちょっと待て
姿勢の話になると、みんな「よしじゃあいい姿勢を取ろう」と胸を張ります。間違ってない、けどそうじゃねえんだ。
意識することで姿勢よくなるなら、みんな改善しているでしょうが、世の中の人の大半は姿勢が悪いです。
しかも、姿勢をよくする、というとみんな胸を張りますが、過剰な反り腰になってあまり良い姿勢ではないことが多いです。
3.どうしたら姿勢がよくなるのか(一般的な姿勢)
ここらへんは調べたらいくらでも出てくるし、もっと質の高い記事や情報がたくさんあるので、本記事ではサラッと箇条書きに。
3-1 とりあえずググる
「いい姿勢」で検索してみましょう。なんとなく概要はつかめます。
3-2 正しい姿勢を知る
これもググれば見つかります。よくあるのが、「壁を使った姿勢のセルフチェック」や、「耳、肩、腰、くるぶしが一直線上になるようにしよう」というものです。
3-3 筋トレ、ストレッチ、ヨガ、ウォーキング
筋力不足、筋肉の凝り、柔軟性の不足、等々の理由に対してアプローチします。運動はストレス発散や睡眠の質改善にもつながるのでそっちの方面でも姿勢の改善に効果ありです。ストレスと疲労は姿勢が悪くなります。
人によって最適なエクササイズは違うので正解はないですが、背中の筋肉と尻の筋肉を鍛えると姿勢がよくなることが多い気がします。
3-4 呼吸のエクササイズ
呼吸が浅いと姿勢が悪くなります。腹式呼吸(呼吸のエクササイズ)をするだけでもそれなりに姿勢にいい影響があります。
3-5 スマホとパソコン
スマホ利用によるストレートネックはあるあるです。利用時間を減らしたり、下を向いて使うのをやめたり。パソコンを仕事で使う人はパソコンの台やいすで高さを調整するとマシになったりします。
デスクワークの人は1時間~30分に一回1分でいいので肩回しや伸び、屈伸をするだけでも変わります。
4.どうしたら姿勢がよくなるのか(柔術編)
ここからは柔術編。これが今日の主な内容です。
4-1 柔術における良い姿勢とは
一般的な良い姿勢を柔術でとっても両足タックルで倒されて終わりです。柔術における良い姿勢とは、「崩されない、倒されない、動ける」といった要素が求められます。
そして、柔術の姿勢は一定の形の正解はなく、ガードの種類、位置関係、グリップ、相手の重心やスタイルなどによっていい姿勢(ベース)は変わってきます。シチュエーションによって柔術のいい姿勢は変わります。
4-2 柔術の姿勢改善① スパーでデータ収集
スタンドやトップの攻防で、いろんな姿勢を取ってみましょう。後ろ重心にしたり、前重心にしたり、両足重心にしたり。グリップも色々試します、襟を持ったり、足を持ったり。上体を起こしたり下げたり。崩されない形、というのがどんなものかスパーの中で模索していきます。
先に書いたようにシチュエーションによっていい姿勢(ベース)は変わります。「この場面ではこの姿勢が崩されないな」をたくさん集めましょう。
「そんきょベース(スクワットベース)で低い重心」がいい姿勢のときもあるし、
「スタンドで上体を起こして襟袖を取らせずステップを踏める形」がいい姿勢のときもあるし、
「立膝で脇を締めて小さくなるベース」がいい姿勢になるときもあるし、
「自分の足にあまり重心を置かず、相手に重心をかける形」が良い姿勢になることもあります。
4-3 筋トレ① 片足種目、片手種目、ウォーターバッグ、ターキッシュゲットアップ
実は筋トレもいい姿勢を作るのには効果的です。みんな大好き体幹を鍛えます。
上記のトレーニングは「抗回旋」というねじれに耐える能力やバランスを取る能力を鍛えられます。これがいわゆる体幹を鍛えることにつながっていい姿勢、いいベースを作るトレーニングになります。
ここらへんは、専門のパーソナルトレーナーに聞くのが一番ですが、とりあえず上記の種目を取り入れるだけでも変わってくると思います。
4-4 筋トレ② 高重量
みんな大好き体幹を鍛えるのも大事ですが、高重量も効果的。
SNSで見るゴミみたいなトレーニングや謎の体操のようなトレーニングをしているエロイ格好をしたお姉さんは目の保養にするだけにしてトレーニング内容は参考にしないようにしましょう。体幹を鍛えてしなやかな筋肉で代謝を上げてろ。
ちゃんと高重量を扱うことも大事です。
高重量を扱うトレーニングをすることで「効果的にパワーを発揮する体の使い方」を覚えることができます。
とりあえずBIG3。デッドリフト、スクワット、ベンチプレスです。
高重量を扱えるしっかりとしたフォームを獲得すれば、結果的に力の入る姿勢が身に付きます。
デッドリフトやスクワットでヒンジ動作(詳しくはググって)を身に付ければ、人体で最も強い尻と太ももの筋肉を有効に使うことができるうえに、腰のダメージを減らせます。
腹圧を入れることを学べば体幹の力を上手に使えますし腰痛予防になります。
ベンチプレスでは下半身の力を上半身に伝える技術が身に付きます。
重いものを支えようとすれば、効果的な体の使い方(力が効率よく発揮できる体の使い方)をせざるを得ないのです。
筋肥大を目指す「効かせるトレーニング」ではあえて非効率な体の使い方をして特定の筋肉に刺激を入れるので、効率的な体の使い方はあまり身に付かないことが多いです。効かせるトレーニングには効かせるトレーニングのメリットがあるので、それ自体がダメということではないです。
5.まとめ
ローマは一日にして成らず いい姿勢は一日にして成らず
強い人のいい姿勢は最初から身に付いていたものではありません。練習とトレーニングの積み上げの賜物です。
ただ、やるだけではなく、動きの意味や効果的な体の使い方を考えて練習やトレーニングをすればいい姿勢が少しずつ身に付くと思います。
すぐに変わるものはハリボテになります。少しずつ変わっていくものがホンモノになっていきます。街の景色を数年かけて変えるように、全身の細胞を1年かけて入れ替えるように、自分の姿勢を改善していきましょう。
2024/9/5 アンディ
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