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星野リゾートはスタッフのブランド意識をどう高めたか?

こんにちは、あんでぃです。
突然ですが、質問です。

あなたは星野リゾートと聞いて、どんなイメージが浮かびますか?

変わった会社。
おもてなしが素敵。
いろんなブランドがある宿泊リゾート。
人によっても様々なイメージが浮かんできたことでしょう。

○○と聞いて連想するもの。
それがまさにブランディングの本質と言えます。

例えば、
【旅を楽しくしてくれる会社】
というイメージが浮かんでいれば、
「ちょっと旅行にいきたいな」
という気持ちになった時に、星野リゾートをスマホで検索してくれるかもしれませんよね。

今日はそんなブランディングについて、星野リゾートでの取り組みをご紹介していきます。


ブランディングが定まっていなかった

私が入社した12年前。
そう、あの頃はまだ星野リゾートというブランドイメージがあまり確立していなかったように感じます。
お客様からはよく、「ほしのやさんは…」と言われ、
「界なのに…」と心の中で呟いておりました。

当時は「星のや」と「界」が違うブランドである認識はあまり持たれていなかった。
しかし、時が経つにつれ、お客様の認知も大きく変化。
今では、界が大好きで全国の界の制覇を狙う「界巡り」される方も非常に増えてきました。

そんなブランディングの変化をもたらしたものは一体何だっただろう?
とずっと興味をもっていました。
それは、お客様やメディアへの(外部への)取組みはもちろんですが、社員の意識といった内部の変化も大きいのではないか、と思っています。


社員のブランディングへの意識の変化

まずは私自身のお話し。
正直に言うと、星野リゾートに入社するまでは、ブランディングについて意識することはほとんどありませんでした。

12年前の私は、
「地方に移住をして、どんな仕事をするか?」
を念頭において転職活動をしていました。

当時、マーケティングやブランディングというものには全く興味なし。
もちろん、会社のイメージという意味では就職先の選択する上での要素にあったかもしれませんが。(当時はリゾート再生のイメージ)

しかしながら、入社して年数が経つにつれ、
ブランディングというものがどれだけ大切か?
ということを嫌がおうにも考えさせられる機会が増えてきました。

例えば、客室清掃のルールやオペレーションを決める時。
ブランディングとしてどうか?
という議論がなされるようになってきました。
経費削減といった短期的な収益目線だけでなく、
長期的にブランド毀損になっていないか、
という視点も加わるようになってきたのです。
スタッフの一人一人がブランディングに対する意識が根付いてきたと言えるでしょう。

では、このブランド意識はどうやって醸成されたのでしょうか?


全ては数値とグラフで一目瞭然に明かされる

私はその理由が数値化による見える化の効果だと思います。
星野リゾートでは毎年、ブランドの認知率や利用意向度などをリサーチしています。

メインブランドである「星野リゾート」
サブブランドである「星のや」「界」「OMO」など。
それぞれのブランドが

・どの程度知られているのか?(認知率)
・どのくらい利用したいと思っているのか?(利用意向度)

をチェックしています。
そして、このデータをグラフ化したものと今後のブランド戦略が毎年全社員に研修時に伝えられます。

私は毎年このデータ報告を聞くのが、楽しみでたまりませんでした。
各ブランドごとにどんな課題を設定し、どのような打ち手を立てるのだろう?とワクワク、目を輝かせながら聞いていました。

それだけではありません。
年々右肩上がりに上がっていく認知率。
このデータは私が肌感覚で感じていたものを裏付けるものでした。

というのも、
(界との区別があまりついていなかった)「星のやさん」と呼ばれていた12年ほど前とで認知率を比較してみると、
星のやは20%程度→2022年で50%程度まで上昇
界は10%程度→2022年で30%程度まで上昇

と大きく変化が生じていたのです。

認知率が上がっているとは、ブランドのコンセプトがより伝わっているとも言えるでしょう。
界が提供するサービスと、お客様が期待するものが近くなっていくことは、満足度が高まることにも繋がります。


データとともに根付くブランド意識

私はこんなことを予想しています。
毎年このデータを見るたびに、こう感じるスタッフがいたことでしょう。

「あれ、界、まだまだ知られていないぞ。どうしたら界がもっとメジャーになれるんだろう?」

そして中にはこのように考えるスタッフも。

「そもそも界って何なんだ?施設のコンセプトを体現するには?」

このように考えて、客室清掃やサービスの仕方、地域魅力の発信の仕方など、一つ一つの作業にブランドを意識するきっかけが生まれたと思うのです。

毎年毎年、徹底してデータを取り続け、それを全員に共有し続ける
たったそれだけのことかもしれません。
ただ、情報を常にオープンにし続けることがスタッフの意識醸成に必要なキーだったということを私は確信しています。

以上、本日は星野リゾートのブランディングに関する取り組みについてご紹介しました。

ちなみに、代表の星野佳路が出演したPIVOT『星野リゾートに学ぶ②』でそのデータがグラフとともに公開されました。
グラフは6分55秒あたりです。
興味ある方は是非ともご覧ください。


おもてなし産業をかっこよく。
あんでぃでした。



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