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僕らはなぜ習慣が作れないのだろう?
先日、同僚から、
運動を習慣化するにはどうしたらいいか?
と相談を受けました。
運動不足により仕事で疲れやすくなっているようで。
今すぐにでも運動が必要だ!と思ったそうです。
ここ数年、私の中でブームになっているのが「習慣化」です。
どうしたらよい習慣を作ることができるか?
どうしたら悪い習慣を止めることができるか?
こんなことを日々、結構真面目に考えています。
毎朝出社ギリギリに起きていた私も、
(これじゃまずい。どうにかしたいぞ…)
と、この数年間、試行錯誤してきました。
そして、出勤4時間前に起床、
1時間ほどの朝のルーティン、
1ー2時間ほど自己投資の時間を作る、
といった習慣が身につきました。
これは日々の小さな習慣化の積み重ねだと感じています。
本日はそんな私の過去の経験から、
なぜ習慣化って難しいのか?
そして、習慣化に大切なたった一つのことについて考えてみます。
習慣化がうまくいかなかったある人のオハナシ。
ここからはフィクションです。
是非ご自身の近い体験を思い浮かべてみてください。
ある日、ふとこう思い立ったとします。
「あ、なんか最近運動不足で疲れやすいな。
そうだ、明日からジョギングを始めよう。」
翌日なんとか時間を捻出。
いつもより早く起きて、ジョギングできました。
早朝の新鮮な空気を肺いっぱいに吸い込みながら、太陽のまぶしさを感じます。
久々の運動で、疲労感もありますが、とっても気持ちいい1日となりました。
翌日、朝目覚めます。
久々の運動により筋肉痛になっていることに気づきます。
ベッドから起きるのが辛い。
でも、なんとか気持ちを奮い立たせて、着替えようとしたその時。
外ではポツポツと雨が降っていることに気づきます。
「雨か。。。健康にいるためにジョギングするのに、雨で風邪でも引いたら大変だ。今日は仕方ないからやめておこう。」
と、今日は諦めることにしました。
翌日、また目を覚まします。
なんだか昨日から続く身体のだるさを強く感じます。
一方、布団がぬくぬくしていて気持ちいい。
今日は疲れを癒すことを優先しよう。
そう決めて、ジョギングをあきらめることにします。
そんな日が数日続きます。
そして、ある日こう思います。
「私はなんて意思の弱い人間なんだ」
と。
僕らは未来に負担を押し付けがちだ
といった具合に、決意した時にはやる気がまんまん、でも数日経つとやる気が全くなくなっている。
そんな経験はないでしょうか?
過去に嫌な思いをしたから、あんなに強く決意した。
それなのになぜ習慣化がうまくいかないのか?
それは、未来の自分が抱く感情は今の感情に比べればそれほど強くないとみなす傾向にあるからです。
言葉を変えれば、未来の自分が大変と思うことも、今感じることができないため、少なく見積もってしまうということです。
こんな実験があります。
被験者に質問します。
宝くじで今20ドル当たるのと、3ヶ月後に20ドル当たるのではどちらが嬉しいか?
その結果、今当たる方が嬉しいと被験者は答えます。
同じ20ドルを今もらうか、未来もらうかで幸福度は同じはずなのに。
他にもこういった実験があります。
『今から1週間後に食べるとしたら、バナナ、りんご、チョコレートバー、ナッツのどれを選ぶか?』
と聞かれ、バナナやりんご、ナッツなどの健康的な食品を選ぶ人が多い。
しかし、1週間後に、同じ人に
『今食べるとしたら?』
と尋ねると、チョコレートバーを選ぶ人が多い。
「将来的に健康的な食生活を送りたい」
などというのに、今現在の話になると、健康的な選択ができなくなってしまう。
こうした傾向は、大変なことを習慣化することにも当てはまります。
健康な未来のために大変なこと(明日のジョギング)に対しては抵抗がなく予定を立てるけれど、今(ジョギング当日)となると途端に辛くなる。
人は未来に大変なことを押し付けがちなのです。
というよりも、未来の大変さの見積もりが甘いのかもしれませんね。
どうしたら習慣化がうまくいくのか?
さて、ではどうしたら習慣化がうまくいくのか?
私の経験から言えば、
とにかく小さすぎる目標を毎日コツコツし続ける
に限ります。
健康でありたいな!
という理想の状態は一旦頭の隅に置いておいて、
そのためにできることをとにかく分解しまくる。
そして、そのうちの、
どんなことがあっても絶対やれるでしょ!
というレベルのことを毎日やってみるんです。
いわゆるベイビーステップってやつですね。
辛い、きつい、めんどくさい…
そんなネガティブな気持ちがちょっとでも湧くようならば、それは大きすぎる目標です。
さらに細かい作業に落とし込むことが大切。
こんなんで意味あるの?
というくらいの作業の方が、心理的抵抗感がないので、多分できます。
それを1週間くらい繰り返してみたら、次のステップに進んでいきます。
3週間くらい続けると、今度は止めるのが難しくなる。
ここまでやったんだからもう止めれない、と変なプライドが出てきたらこっちのもんです。
とにかく小さな目標コツコツと!
これは、未来に負担を押し付けがちな私たちができる、未来の自分に優しいお約束なのです。
というわけで、あんでぃお墨付きの作戦、ぜひお試しくださいませ。
さて、冒頭の同僚とはこんな会話になりました。
「どうやって時間捻出したらいいのか。これ以上1時間早く起きるのはなかなか難しいんです。」
「1時間早く起きなくてもできることってないのかな?」
「え?どういうことですか?」
「朝走りたい、というならば、まずは走らずに、外に出ることから始めるといいよ。例えば、朝5分だけ散歩するとか。」
「それならできそうです!」
そして、翌日、報告がありました。
「朝、散歩できましたよー!めっちゃ気持ち良かったです!」
彼女の笑顔が眩しかったのはいうまでもありません。
おもてなし産業をかっこよく。
あんでぃでした。
「日本のゴミの分別は大変すばらしく環境にも優しい習慣!」
中国人旅行者の言葉です。
こういった社会的な習慣・文化っていうものは、長年積み重ねてきた習慣なんだよなぁ、と思いながら読みました。