惑星に一人でいる
惑星に一人でいる。膝を抱えてぽつんと座っている。取り残されたように見えるけど自ら一人でいることを選んだ。寂しいのは自分のせいだと言いたくない。
昔に無くした片方を探している。人と関わる内にどこかへ落としてしまった。捨てることを選んだのも自分。本当にそうだろうか。
人の輪の中にいるとそれぞれが影響し合って、思いも寄らない方向へ進むことがある。
背中の荷物が少しずつ重くなって、気づかない内に大変なものを背負っていた。気づいてからでは遅いのだ。いつもどうしようも無くなってから後悔する。
心をひとつだけ持っていたいから、惑星に一人でいることを望んだ。
穴の中を覗いても誰もいない。幸せでも不幸せでもない。
前に向いて進んでいた筈だった。立ち止まって手の中を見ると、掴んだものを手放していた。何も残ってなかった。そう見えた。
もう一度歩みを進める前に、徹底的に一人になる必要があった。
この星で一人になって何時間、何日経ったのか分からない。
曇ったままの空。何をする気も起きなくて、眠っている訳でもなくて。僅かに目を開けて、何も望まないまま。ざわざわとした感情が静かになるのを待つ。
波が全てを洗い流してくれる。