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インナーチャイルドについて。自分を愛する方法

 インナーチャイルドとは、心理学やスピリチュアルな分野で用いられる概念で、心に潜む「幼少期の自分」を指します。
 この存在は、幼い頃に経験した感情や記憶、学んだ価値観などを象徴しており、大人になった現在でも私たちの行動や感情、思考に大きな影響を与えています。

■インナーチャイルドの影響

◯ポジティブな影響
・無邪気さや創造性、好奇心が表れ、楽しいことに喜びを感じる。
・素直な愛情や感謝の気持ちを持つ。

◯ネガティブな影響
・幼少期の傷が癒されていない場合、大人になっても不安や自己否定感が生じやすい。
・人間関係において「愛されたい」「認められたい」と過剰に感じることがある。
・小さな失敗や批判に敏感になり、自己防衛的な態度を取る。

■インナーチャイルドと大人の自分

 私たちの「大人の自分(アダルトセルフ)」は、日々の生活や社会での役割を果たし、理性的な判断や責任感を持っています。しかし、インナーチャイルドは時に無意識の中で感情を揺さぶり、過去の傷を表現することがあります。
 たとえば、突然の感情の爆発として、原因不明の理不尽な怒りや悲しみが湧き上がることがあります。それはインナーチャイルドが過去の傷を反映させているからです。
 また、無意識の選択として、自己破壊的な行動(例えば、繰り返し良くない人間関係に陥るなど)も、幼少期の傷が癒されていないことが原因である場合があります。

■インナーチャイルドを知ることの意義

 インナーチャイルドを意識し、理解することは、自己成長や癒しにとって重要です。傷ついた部分を受け入れることで自己愛が深まり、トラウマを癒すことで感情の安定が得られるからです。
 また、自分の内なる子どもを理解することで、他人にも共感しやすくなり、より良い関係を築け、人間関係の改善に役立ちます。

■インナーチャイルドの特徴

 インナーチャイルドには、幼少期の感情や経験、純粋な自己の一部が凝縮されています。その特徴を詳しく見ていくことで、どのように私たちの日常生活や感情に影響を与えるかを理解できます。

◯感情の純粋さと過去のトラウマ
 インナーチャイルドは、幼少期の純粋な感情や愛、喜び、好奇心など子供心を持つ一方で、幼少期に受けた「トラウマ」の影響を強く受けている存在です。
 たとえば、幼少期に「ダメだ」「それは間違っている」と言われ、親などに否定され続けると、自己否定感び強い人格になってしまいます。
これはその時に感じた、不安、恐怖、悲しみ、孤独といった、幼少期に経験した感情が処理できずに、「未解決のまま」残ってしまったためです。

 このように親や周囲の影響がその人の性質を形作り、傷ついた記憶や体験がある場合、大人になっても人間関係や自己評価に影響を与え続けているのです。また、十分な愛や安心感を得られなかった場合、成人後に「愛されたい」という強い欲求が表れることもあります。

◯無意識の行動パターン
 インナーチャイルドは、大人になっても無意識の中において、あなたの行動や思考に影響を与え続けています。対人関係では、過去のトラウマを避けるために「怒り」や「無関心」で自分を守る防衛反応が見られたり、子どもの頃に身につけた「習慣」が成人後も続いていたりします。
 たとえば、親の期待に応えようと過剰に努力したり、逆に反抗的な態度を取るといった行動パターンが挙げられます。これらの幼少期の経験は繰り返されやすく、幼少期の親との関係が、現在の他者との関係のモデルとなり、
パートナーや友人にも同じような期待や不満を抱く
ことがあります。
 このように、インナーチャイルドは無意識の中で人間関係に大きな影響を与えているのです。

◯内なる子どもの視点
 インナーチャイルドは、大人の理性とは異なり、子どものような視点で世界を見ています。その視点とは「好き嫌い」「良い悪い」といった極端な判断をしがちなことです。そして、幼少期は自分が世界の中心という感覚があるため、大人になっても「自分が悪いからこうなった」と考えやすく、
自分を中心に考える傾向があります。
 また、子どもは待つことが苦手なため、大人になっても「すぐに結果を得たい」という衝動が残ることがあります。

◯クリエイティビティと想像力
 インナーチャイルドは創造性の源であり、感性や表現力に大きな影響を与えます。豊かな想像力を持ち、夢を描いたりアイデアを形にしたりする力があります。型にはまらない自由な発想を楽しむことが得意で、絵を描く、歌う、踊るなど、感情を形にして表現したいという強い欲求を持っています。

◯愛されたいという欲求
 インナーチャイルドは、常に愛されたいという純粋な欲求を持っています。無条件で受け入れられることを望み、愛を求める傾向があります。
承認欲求も強く、「よくやったね」「すごいね」といった肯定的なフィードバックに敏感です。
 また、幼少期に十分な安心感を得られなかった場合、大人になってもその安心感を求め続けることがあります。

■自己成長への鍵 -改善策-

◯過去の癒し
 インナーチャイルドを癒すことは、過去に未解決のまま残った感情や出来事を整理し、解放することです。過去の傷を放置すると、大人になっても同じような状況を引き寄せがちです。たとえば、「見捨てられる」という恐れから、見捨てられやすい関係を無意識に選んでいませんか?
 こうしたトラウマの再現を防ぐ癒しのプロセスとしては、過去の記憶を優しく思い出し、「あの時の自分を許し、包み込む」イメージワークが有効です。

◯本来の自分を取り戻す
 幼少期の自分は、無邪気で純粋なエネルギーを持っています。その頃の感情や好奇心を思い出すことで、抑え込んでいた「本当の自分」にアクセスできます。他人の期待やルールに従い、自分を抑えてきた部分を解き放ち、抑圧された感情を解放しましょう。
「子どもの頃に好きだったこと」を思い出して、それを再び日常に取り入れることで喜びは蘇ります。

◯自己肯定感の向上
 インナーチャイルドを癒し、受け入れることで、「そのままの自分を愛してよい」という感覚が育まれます。自分自身で自分を励まし、保護し、育てる意識を持つことが重要です。
 結果ではなく存在を肯定してください。そうすれば成績や成功の有無に関係なく、「私はここにいてよい存在だ」と感じられるようになります。

■インナーチャイルドの役割

◯感情の橋渡し役
 インナーチャイルドは、理性的な大人の自分ではアクセスしにくい感情を教えてくれます。たとえば、「なぜこんなに怒りを感じるのか?」という感情の背後にある、幼少期の出来事や不満を探るのに役立ちます。今まで解決できなかった感情に気づきを与えてくれます。
 そしてその感情は否定せず、「こんな気持ちを抱えていたんだね」と受け止めることで、自分を深く知り、癒やすことができます。

◯創造性の源
 インナーチャイルドは、創造性や遊び心を引き出す重要な存在です。
社会や常識に縛られた大人の考え方を一時的に忘れ、自由な発想を得ることができます。
 そして絵を描いたり、歌を歌ったり、自由に身体を動かしたりすることを通じて、内なる子どものエネルギーを引き出します。

◯自己探求のパートナー
 
インナーチャイルドとの対話は、自己探求のプロセスをサポートします。
「本当は何を感じているのか?」「何が欲しいのか?」といった問いを通じて、インナーチャイルドの声を聴くことができれば、自分の本質に気づくことができます。他人の意見や社会の期待から離れ、自分が何を大切にしているかを発見できるのです。


 インナーチャイルドは、単なる「過去の自分」ではなく、「現在の私」を形作る核であり、癒しと成長の鍵を握っています。その特徴を理解し、向き合うことで、愛されたいという欲求を満たし、自己成長を促し、本来の創造性や純粋な喜びを取り戻すことができます。

 「インナーチャイルドと一緒に生きる」という意識を持つことで、より自由で豊かな人生を築くきっかけとなるでしょう。

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明依 晶
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