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思いはどこへ

これ、何に見えますか。

冬枯れの木。
それとも、ダムに沈んでいた村が、渇水でふたたび姿を現し、亡霊のように蘇った木。
私には、そんなふうに見えました。

木は、人々がまだそこに暮らしていたときにはその営みを見つめ、ダムに沈んでからは、水に溶け出した人々の思いを受け止めてきたのでしょうか。

自分の住んでいた場所が、まるごと水の中に沈んでしまう。
私はそんな経験をしたことがないのでわかりませんが、いったい、どんな思いがするものでしょうか。

昇華されていない思いが、今も水の中に漂っているような気がしてならないのです。
同じく、その場で生きて行くことができなくなってしまった木。
でも、人間のように立ち去ることもできず、その場にかつて起こった様々な出来事や思いを、そこに留まりながら受け止め続けているような錯覚にとらわれます。

だから、一瞬、海面上に姿を現したとき、海中で吸い込んだたくさんの思いを、空中に解放させているように思えるのです。


そんなふうに、想像を膨らませて見ていたものは、実は、シャインマスカットの茎でした(笑)


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Andrea@ポジティブマインドクリエイター
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