2024年に読んだ本36冊の感想をならべてみた|陽キャ風な陰キャの本棚
ほんの5年前までは、本なんて、年に2~3冊読めば良い方でした。
しかし「人生なんか上手く回ってないぞ……」と感じ始めたころから、本を通して先人の知恵にすがることが増えました。
そのおかげか「グルングルンとまではいかないが、まあいい感じに回ってるかな」くらいまでは、人生の滑りが良くなった気がします。
2024年は、新たに36冊の本を読みました。その感想をズラ―っと並べてみた、というのが今回の記事。
本を読んだら感想を残しておくようにしてるんですけど、どこに記録するか定まらず、まとめ方がバラバラですがご容赦ください笑
なお、36冊のうち12冊はアガサ・クリスティーの作品です。2023年1月から「月イチ・クリスティー」というのを一人で勝手にやっているのです。先月で2年が経ちましたが、まだまだ未読本がたくさん!改めてクリスティーのすごさを感じているところです。
|2024年新たに読んだ36冊
◆小説
『チャリング・クロス街84番地: 書物を愛する人のための本』へレーン・ハンフ, 江藤淳 訳
※原作ものの映像作品に関する問題のさなかに読み、胸が痛くなりました。この作品は、映画版とても良かったです。
『猫を抱いて象と泳ぐ』小川洋子
『十二国記ー月の影・影の海ー』小野不由美
※結局下巻に急げてないです😂
『夜市』恒川光太郎
『うるさいこの音の全部』高瀬隼子
『月の立つ林で』青山美智子
『君が手にするはずだった黄金について』小川哲
『君のクイズ』小川哲
『木洩れ日に泳ぐ魚』恩田陸
├ クリスティー作品
※『なぜエヴァンズに頼まなかったのか?』というタイトルの方が好きです。早川版も読みたい。
『ビッグ4』
『招かれざる客』
『ポアロ登場』
『牧師館の殺人』
『書斎の死体』
『動く指』
12月末の読了。感想書くの忘れてたことに今気づきました。書いとく。
◆小説以外
『我慢して生きるほど人生は長くない』鈴木裕介
『犬神家の戸籍 「血」と「家」の近代日本』遠藤正敬
『がまんをやめる勇気』平木典子
『ちいさなブランドをつくる』松岡美希
『本当の勇気は「弱さ」を認めること』ブレネー・ブラウン, 門脇陽子 訳
どっかに書いたのに見つからなかった😭
孤独を楽しめるように、賢く強かになりたい、みたいなことだった気がする。
『暇と退屈の倫理学』國分功一郎
『一汁一菜でよいという提案』土井善晴
『発信する勇気』末吉宏臣
『ナリワイをつくる:人生を盗まれない働き方』伊藤洋志
『物語の役割』小川洋子
『からだの美』小川洋子
『夜と霧』ヴィクトール・E・フランクル, 池田 香代子 訳
◆番外:繰り越し本
『金閣寺』三島由紀夫
濃厚で美しい文章で書かれたインセルの内面。。濃すぎてなかなか進まない。
『庭仕事の真髄―老い・病・トラウマ・孤独を癒す庭』スー・スチュアート・スミス, 和田佐規子 訳
本当に漠然と、なんの戦略もないですが、将来、庭に関する仕事(事業?)をやってみたいな~と思ってます。
『Q&A』恩田陸
災害(人災)怖い人間なので、読むと不安になってしまって……。構成はとても好きなので元気あるときに読みたい。
『砂の女』安部公房
口の中がジャリジャリして気持ち悪くなって中断笑。続きは気になってる……!
『トランジション ―人生の転機を活かすために』ウィリアム・ブリッジズ, 倉光修 小林哲郎 訳
ブリッジズ、キャリアコンサルタントの試験勉強をする中で、一番心にフィットした理論家でした。転機の切り抜け方に正解はないけど、転機はすべての人にあまねく訪れるということが分かるだけでもなんだか安心する。
『人を動かすナラティブ なぜ、あの「語り」に惑わされるのか』大治朋子
うなずきながら大事に読み進めてます。新聞記者さんだからか、文章がすーっと理解できる。
『小説以外』恩田陸
恩田さんの考えていること、感じていることが、エッセイで読めて幸せ。ゆっくり読んでる。
|所感:キーワードは「我慢」「勇気」「好奇心旺盛な陰キャの生き方」「小川」「物語」
◆「我慢」
1~3月読了本に多いワードでした。なにかしらの我慢の限界だった模様。笑
「我慢すれば、他人から嫌われない/輪からはじかれない/安心・安定がもらえる」っていうロジックが骨の髄まで染みてるんですね。なんでもかんでも我慢すればいいわけじゃない。するべき我慢と、しなくてもいい我慢の見分け方を模索していた気がします。暫定の回答として、こんなnoteを書いています。
◆「勇気」
何かに挑戦したいけど、あの人に会いに行きたいけど、できない。なんて臆病者なんだ!意気地なし!……という感じで、自分には勇気が足りないなあ、と感じてました。
でも色々読んでいて、何もないところから勇気は生まれないんだなと気付きました。勇気は、①自分が弱いことを認める、②弱いことを開示できるという、自己受容・自己開示が前提にあり、③勇気を出す理由が明確である、という状態にあって初めて出せるもの。
自分の弱さを受け入れられていないのに果敢に挑んでいっても攻撃的になるだけ。誰かのため、何かのための勇気じゃないのに勇んで突進するのは無謀なだけ。時に迷惑だったりまである。
弱い自分への信頼と、そんな自分でもやってみたいと思える行動目的・信念。それらがそろったとき、勇気は自然と湧いてくるんじゃないかなと思っています。つまり「わたしには勇気がない!」と自分を責めても意味がない。自分と和解してあげるのが大事。
◆「好奇心旺盛な陰キャの生き方」
『暇と退屈の倫理学』に、「退屈は人類の性。その中にはさらに、より退屈を感じやすい刺激好きなタイプや、危険や異常に対して敏感なタイプがいる」的なことが書かれてました。これ、HSS型、マルチ・ポテンシャライト、HSPといわれる気質そのものだなあと。「自分の気質、人類だから仕方ないか」と思えて気が楽になった。
また『ナリワイをつくる』の筆者・伊藤洋志さんは「固定費をできる限り下げ、月3万円の仕事を組み合わせることで稼ぐ」「ライスワークにリソースを費やさない」「自分にとって大切なものを大切にする」など、私が確立したい働き方・暮らし方を実際にしていて、すごく勇気づけられました。「自分は非バトルタイプなので……」みたいな言葉がよく出てきたところにも共感。
「好奇心旺盛な陰キャ」という自分の気質をうま~く活かして生きていくためのヒントになった2冊でした。ヒント、自分でも溜めて、発信していきたいな。
◆「小川」
昨年出会えてよかった作家さんがお二人います。小川洋子さんと小川哲さんです。近所の図書館ではお二人が隣り合っているので、そのエリアだけ読了本が増えています笑
小川洋子さんは『猫を抱いて象と泳ぐ』で心を掴まれ、『からだの美』で陥落しました。文章や言葉選びのうつくしさ、静けさを湛えた世界観、人間の薄暗い感情への冷静なまなざし、健気さやいじらしさへの愛情深さなどがたまらなく好きです。『からだの美』、写経する。
小川哲さんは、話題になっていた『君が手にするはずだった黄金について』があまりに刺さって好きになりました。私は占いがだいぶ苦手なのですが、その理由をめちゃくちゃ明確に言語化してくださっていて、思わず拝んだ。『君のクイズ』のテーマでもあると思いますが、小川哲さんの「騙す」「偽る」ことへの嫌悪感に、勝手ながらとても共感しています。
◆「物語」
本や映画が好きなのですが、その理由は「物語を摂取することでなんとか生きようと思えるから」。mixi2でこんなことを書いたら、多くの方からリアクションをいただいて、そういう方、多いのかな、と嬉しくなりました。
現実をなんとか切り抜けるために、物語の力を借りる。大げさに言えば、救いを求めて物語に触れるのかなあ、と。
物語はそれだけ大きな力をもっていて、たくさんの人を救える。一方で、その力を悪意を持って使えば、人を惑わせ、狂わせ、コントロールすることができる。その危険な側面を見せてくれるのが、繰り越し本の『人を動かすナラティブ』という本。あと2/3ほど残っているので読み進めていきたいです。
読書を振り返るのって楽しいですね!自分の変化が分かるし、読みたい本もどんどん思い出してきて、生きる気力が湧いてきます。
でも、こうして一度に記事にまとめるの、猛烈に大変……!!
などを心がけたいと思いました。感想noteはマガジンにしようかな。
今年も良い読書タイムを過ごしていきたいと思います!ここまで読んでくださり、ありがとうございました~·͜·🙌🏻