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【映画】2回目のマイ・インターン
録画に埋もれた「マイ・インターン」を観たのはつい先日のこと。
前に観たことがあったが、仕事で失敗続きだった20代の私はアン・ハサウェイが演じたうら若きやり手CEOのジュールズがひどく眩しくひどく憧れる存在だった、ということしか覚えていなかった。
しかし、どうだろうか。
30代の私はロバート・デ・ニーロが演じた70歳のベンに釘付けだった。
もちろんジュールズは憧れる存在だった。今見ても彼女は眩しく美しくそして強い。まさに憧れの女性そのものだ。
一方ベンは70歳男性で妻に先立たれたシニアインターンだ。彼はハンカチを持ち、良い靴や鞄を丁寧に扱い長く持ち続け、家も仕事のディスクも綺麗にしてて、亡き妻を想いつつも今目の前にいる人達や自分を大切にして、穏やかに優しく…と控えめに言って最高の人間だった。
私の父は、というと早期退職をして趣味を楽しみつつ家の畑の手伝いを時折して母が仕事を終え風呂を炊き食事を作り掃除をするのを待ってる人間だ。
自分で丁寧に身支度をするベンを見ると不意に記憶の中の父が風呂場から「パジャマー!!」と大きな声で母にパジャマの催促をした。
そんな父の元で育ってきた私には晴天の霹靂のような存在だった。こんな男性がいるんだ、と気づけば終止口が半開きで映画を見ていた。
映画の最後には私は彼に恋をしたような気分だった。それは20代の頃には感じなかった感想だ。なぜ私は彼の魅力に気付けなかったんだろう。
また10年後、いやそう言わずまた1年後に見たら新たな発見があるのかもしれない。
そう思うとわくわくが止まらない。