【vol.40】ようこそ大腸ポリープ、そしてさようなら
先日、異常なまでの腹痛が私を襲い、日曜診療している消化器内科へ赴き診察していただいた。診察の結果、その翌週に大腸カメラをすることになった。
大腸カメラの概要は上記。
つまり、お尻にカメラを突っ込む…?ええ…///
診察日から検査日まで一週間。その一週間は特にお腹の不調はなかった。レントゲンで大腸に影が見つかったわけでもない。お尻にカメラ突っ込むのも下剤で苦しむのも恐ろしい。もう検査を受けなくてもいいのではないか…?億劫になりそんな魔が差したがちゃんと前日の21時に下剤を服用し、検査当日に朝7時30分から2リットルの腸管洗浄液を3時間半かけて飲んだ(本当は2時間で飲み切るらしい)。
知らぬ間に気絶しており、目が覚めた時には来院予定時間10分前。「ごめんなさい遅刻します」とクリニックに連絡。残りの便意にお預けをし、30分遅れでクリニックに到着。ごめんなさい本当に。
検査後
「大腸にポリープが見つかりました」
医師からそう告げられた。
鎮静剤を飲んで意識が朦朧としていた私にも検査中のモニターがかろうじて見える。丸い物体を切って出血している映像を断片的に記憶している。
「切除して、病理検査に回すので結果は2週間後にお伝えします」
大腸のポリープは既に切除していただき、検査機関に回して良性か悪性か詳細に調べていただく。
何もないと思っていたため、唖然。
検査費用¥7,000だったのに手術費もプラスされて約¥30,000かかった。
あ、カードで(涙)
帰り道、西陽が眩しい。
細まった目で駅の方向を見るとビールフェスなるものが開催され、人で溢れかえっている。
「悪性腫瘍だったら」とか「既にステージが進んでいたら」とか、不毛なことを考えて落ち込む。まだギリ若いからきっとガンとかではないだろうけど。お腹イテテ。
そんなときふと昔観た映画を思い出した。
『バッド・マイロ!』
全然揶揄するつもりはないのだが、この作品は恐らく“おバカ映画”というジャンルに含まれる。スプラッタやホラーが苦手な人でも観やすいと思うし人を惨殺するクリーチャーである“マイロ”に愛着すら生まれる。最後のシーン、本当に可愛い。ハートフルコメディと言っても過言ではない。
当時は何も考えずにアホだな〜なんて思いながら楽しんで観ていたのだが、まさかこの主人公と同じく大腸ポリープが我が体内にできるとは…
ということはこのポリープができた原因がストレスである可能性もあるということだ。
理不尽な親会社、都合よく使う上司、パワハラ・セクハラ先輩、態度が悪い先方、失敗続きの転職活動などなど…
ああ、仕事のストレスだ。めちゃくちゃ思い当たる。ひとつひとつを明瞭に思い出すだけでプチキレそうになる。腹立つ。プチね。すこし。
願わくば私のポリープにもストレスの原因をぼてくりこかしてくれる能力が搭載していて欲しいところだが、あいにく既に大学病院か何かで検査を受けている頃だろう。救えなくてごめんな…
帰りにタルタルソースがかかっている唐揚げを食べた。絶対術後に食べてはいけない部類の食品だが不健康な行為でしか得られない幸福感もあるのだ。こういう人間だからポリープとか出来るんだろうな。みんなもほどほどに健康でね。
仕事とか人間関係とか、そういう諸々のストレスで精神的にまいっちゃう人に病名がつくじゃない?鬱病とか双極性障害とか。そういう人たちを軽視する世の中じゃない?
理解が深まっているフリとかしているらしいけど令和4年の自殺者数は21,881人。前年比で4.2%増加しているとか。有名人の急逝も普通に報じられる。思い詰めて追い詰められて自らこの世を去っていく。死にたくなるって多分病気だよ(とある宗教では死ぬ為に生きているという死へ憧れを抱く文化もあるというがそういうのは例外にさせて)。
私はこうやって大腸にポリープが出来たことで
「ストレス!溜まっていますよ!社会に疲弊しています!」
ということを堂々と吐露し易くなったし、あんなクソ会社の中でも察してくれる人がいた。むしろラッキーだったとすら思える。
精神の崩壊は身体の造りをちゃんと変える。胃に穴が開く人もいれば私のような症状に犯される人もいる。でも、完治する。
本当に厄介なのは身体に顕現せずに脳を作り替えていくタイプなのだろう。完治せず、善くても寛解。
知らぬ間に重い話に移行しちゃったけど、身体や心に異変が出る前に不健康でもカロリーオーバーでも幸福感に包まれてほしいな。身体だけじゃなくて心もできる限り健康でいような。
というのも、私のポリープが大腸ガンだったら話は別だ!!!
そしたら わたしがいちばん可哀想!!
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