義母が夜中に見たキタニタツヤを藤井風と間違えて録画した話
「あんこさん、この間、藤井風さんによく似た人がテレビに出てたよ!録画しといたけど、見る?」
「え?斎藤工さんですか?」
「タクミだったら、風さんとは違うってわかるわ!なんかバンドで歌ってたよ」
「?!」
藤井風フィギュア制作の指導で、ずいぶんとたくさんの藤井風さん動画を見ていた(見せられていた)義母、ある晩、どうやらテレビをつけっぱなしで寝ていたらしいのです。
早速、寝室におじゃまし、拝見。
え?これって…
なんと!義母が風さんだと思ったのは、今、大注目のシンガーソングライター、キタニタツヤさんでした。
録画したのは、どうやらこの番組のようです。
義母は、キタニタツヤさんのウェーブのかかった髪形や端正な顔立ち、長身で長い手足をくねらせて歌う様子が、風さんに見えたようです。
キタニタツヤ「白無垢」LIVE at TSUTAYA O-EAST
藤井風「もうええわ」Live short Movie
藤井風フィギュアを作る際、義母には渋公ライブの衣装で歌う風さんの写真をよく見てもらいました。それで見間違えたのでしょう。
夜中に、ふと目が覚めて画面を見ると「あ、風さんが歌ってる!あんこさんに録画しておいてあげよう!」と思ったとのこと。ありがたいことです。
画面で見ると、たしかに雰囲気は似ています。義母が間違えるのは無理もありません。
「朝になって録画をもう一度よく見てみたわー。雰囲気は似ているけど、タトゥーが入ってるし、口ピン(唇ピアス)もしてて別人だった!」
「でもって、何を歌っているかは、さっぱりわからないんだけど」
らしいです(笑)
小林私さんも出演していたのですね。義母はキタニタツヤさんの歌うシーンのみを録画していましたが、仲良しの2人の絡み、おもしろそう。見てみたかったです。
キタニタツヤ「聖者の行進」 MVの一場面
キタニタツヤさんが、トンネルの中を歌いながら歩いています。
藤井風「何なんw」の一場面。
こちらは、風さんがトンネルの中をハイヤーセルフと歩くシーン。
キタニタツヤさん。電車のホームで。
藤井風さんは地下鉄。
ホームの場面も。
美しい人は、どんな場所で撮っても絵になりますね。
光と陰、聖と俗
キタニタツヤさんの楽曲の世界観はダークネスな雰囲気です。彼は言うなれば堕天使的なイメージ。清廉潔白で地上に降りた天使的な藤井風さんとは、楽曲の世界観やキャラクター性も正反対。
でも、こうやって二つの映像を並べて見ると、何かしら共通するものもあるように思えるのです。例えるとしたら、藤井風さんは純潔な聖母マリア、キタニタツヤさんは、高級娼婦から改悛(かいしゅん)したマグダラのマリアでしょうか。あくまでもイメージで私見です(笑) どちらも美しく魅力的な存在には違いありません。
いずれにしてもお二人はアーティストです。表現者であり、聞く人に問いかけたり、癒しを与えたりする彼らには、何かしら共通項もあるのでは?と感じています。
ラファエロ 『大公の聖母』
クリヴェッリ 『マグダラのマリア』
わたしはどちらのマリアさまも大好きです。でも美術作品としては「贖罪(しょくざい)」や「原罪」をテーマに、妖艶な魅力をたたえて描かれるマグダラのマリアに強い魅力を感じます。
「エロスの美術と物語 魔性の女と宿命の女 」利倉 隆 著 には
とあります。
藤井風「何なんw」 NYの街並みも違和感なく似合う教祖感。
キタニタツヤ「聖者の行進」 アングラ秘密結社の賛美歌といった感じ。イルミナティとか(笑)
キタニタツヤさんの曲の中で耳に残った「白無垢」
堕天使のようなキタニタツヤは何処へ?といった感じのこの曲は、バッキングのピアノがとてもおしゃれ。ファンキーでグルーヴ感のあるベースもクールな都会的なサウンドです。ボカロPというより、どこか90年代のアシッドジャズを彷彿とさせます。中原中也の「生い立ちの歌」をモチーフに作ったという歌詞は文学的で小説のよう。MVの映像も美しいです。
ピアノのコード感とリズムトラック(ドラムとベースのコンビネーション具合から)なんとなく、ジャミロクワイ「ヴァーチャル インサニティ」を思い出しました。
ちなみにキタニタツヤさん、小林私さんとこんな歌を作ってました。「サッポロ黒ラベルの歌」
「白無垢」の原型?!いや~こんなに愛されてるとはうれしいですね。サッポロビールの広報担当さん、CMソングにどうでしょう?(笑)
画像引用:キタニタツヤ公式YouTube 藤井風公式YouTube
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