認知症は歩くだけで良くなる 長尾 和宏
何が認知症予防にいちばん効くのか。
結論は「歩く」事だ。
軽度の物忘れ、認知症の可能性のある、精神科でうつ病と診断されて数種類の抗うつ剤を処方されている患者さんに、長尾先生は「歩く」事を勧められた。
患者さんはそれから、朝夕20分散歩を日課にした。
現在その患者さんはうつ症状もなくなり、物忘れも年相応、認知症の症状もなくなった。
「頭の問題なのに、なぜ足を使うのですか」
脳を鍛えるには、足を使って歩くことが一番なのだ。
どうして?
答えはこの本に書かれている。
現在(2016)日本に認知症の人は460万人いる。
軽度認知症の人は400万人。
予備軍も併せて総勢860万人になる。
65歳以上なら4人に一人が認知症だ。
2025年には471万人になるともいわれている。
ではなぜ認知症が増えているのか?
答えは糖尿病が増えているからである。
認知症は頭の糖尿病という説もある。
もちろん認知症と糖尿病の因果関係は、まだ解明されてはいない。
だが糖尿病を放置している人は、認知症になりやすいのも事実である。
糖尿病に現代人が罹りやすくなったのは
「お米、パン、麺類 甘いもの」を食べすぎている事と「歩かなくなった」l事があげられる。
血糖値にの急上昇が糖尿のトリガーになる。
緩やかな数値にする方法はこれだ。
認知症になりやすい人の歩き方がある。
歩幅が狭い
歩く速度が遅い
重心が揺れるように歩く
このような人は認知症になりやすいデータがある。
「足で歩くもの」と思うが、実際は「脳で歩く」のだ。
歩く時は、視覚で広がる空間を認識し、バランスをとったり、筋肉を動かしたり、脳の中で複雑なことを同時に処理している。
つまり「歩く」は究極の「脳トレ」なのだ。
脳の機能が低下すると、歩き方に影響する。
歩き方によっては逆効果の場合もある。
1,血圧を上げすぎない程度の速度
必要以上にスピードをあげない。
2,活性酸素を出さないようにする。
心拍数を上げすぎないようにする目安は「隣に人と会話ができる」「鼻歌が歌える」スピードである。
歩きすぎも免疫力の低下に繋がるので、認知症に限って言えば
一日5000歩
そのうち7分半は中程度の歩行
20分の散歩を一日2回で5000歩は達成できる。
胸を張って、肘を後ろに引いて、歩幅はやや広めに、普通の速度で、1日5000歩めざしましょう。
この本は読んでいてとてもためになりました。
歩くことは健康寿命を高める事にもつながる。
当たり前のことだが、それが一番むずかしい。
この本はおすすめです。