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国際フェリーで韓国へ:旅の疲れに「葛根湯」

一度旅に出てしまうと、1ヶ月ほどは自宅に帰ってこなくなります。国外に出てしまうと、2−3ヶ月ほどどこまでも旅を続けてしまうことがあります。荷物は30Lサイズのリュックサック一個だけですし、旅のテーマが定まったら、観光半分、勉強半分のペースでゆっくり自分のペースで旅をしながら、見聞を広めたいと思います。

お隣の国韓国は、コロナ以前は数回行ったことがあります。ソウルエア、チェジュエアなどの韓国資本のLCC便が、日本各地の国際空港に就航していて、片道8000円ほどで行けます。

博多と釜山、そして下関と釜山を結ぶ国際フェリー航路もあります。国際フェリーで行く韓国の良い点は、片道切符で韓国に行ける点です。日本と韓国は、パスポートさえあれば、最大3ヶ月観光目的で滞在できるので、自由に予定に気持ちを急かされることなく、韓国の文化、歴史、または韓国の現代社会を観察することができます。

そして、何より飛行機では30−40分で超えてしまう玄界灘の海を一晩かけて渡るという、いわば「異次元の体験」ができるのです。国際フェリー船の乗り心地は最高です。3等客室では8ー10名ほどの乗客の方と相部屋となりますが、もし「いびき」なのに悩まされることがなければ、ストンと眠りに落ちてしまえます。もちろん、清潔なマットにシーツが常備されています。

下関ー釜山の国際フェリー船の設備は飛行機での移動では考えられないほど豪華です。一等客室は、洋室、和室、そして韓国風の部屋から選べます。船内には、広い浴場もあり、大変な水流で常時お湯を循環させています。感染症の蔓延を防ぐ為でしょう。塩素濃度も特有の匂いがしましたから、一定以上に保たれていました。ゆっくりお風呂に入って、お湯の中でウォーターヨガをするのも疲労回復に効果があります。

船内には、コンビニ風の売店、軽食カフェ、そして夕食朝食用のレストランがあります。中央ホールでは、椅子とテーブルがたくさん並べてあり、お酒とおつまみを買って、韓国人のお客さんたちは、旅の終わりの余韻を惜しむように、楽しく飲み会をされていました。

それぞれの船室へと向かう船内の廊下には、釜山のモノクロの歴史写真が飾られていて、これから訪れる街の歴史に関する断片的なイメージ情報を得られます。

船外のデッキもぐるぐると歩き回れます。冬の玄界灘の夜は寒いでしょうが、その他の季節であれば、吹く海風を感じて、一晩だけの特別な船旅の印象を肌で感じることができます。

韓国は先進国で地下鉄、バスなど移動基本インフラは十分過ぎるほど整っていますし、デパート、スターバックスも多くあります。何よりも、韓国はチムジルバン(24時間営業のスーパー銭湯)の文化があり、1000円前後の代金で、一泊寝泊まりできます。寝るところは雑魚寝スペースがあり、そこで以前ご紹介した、シーツ寝袋を使って寝れば、朝までぐっすり快眠できます。寝間着パジャマも料金に含まれていて、無料レンタルされます。

チムジルバン宿泊の際、その日着ていた服は、浴場の洗い場で備え付けのソープを使って、ザブザブ手洗いします。そして手で絞り、タオルに包んで踏み踏みして脱水します。そして、洗った服は、自分が寝る雑魚寝スペースの付近にかけて置けば、Tシャツや短パンなどの夏着であれば、一晩で十分乾きます。ただ、共用スペースに干しておくと、時々片付けられてしまうことがあります。お店の人にどこか干しても良い場所はあるかどうか、聞いてもいいでしょう。おそらくお店の人は韓国語オンリーの可能性が高いですが、ナイスに感じよく尋ねれば、上手く行くでしょう。

異文化コミュニケーションの技術を磨く必要があります。一人一人が対等な人間として、誠実さとスマイルをもって接すれば、たとえ言葉の壁があっても、コモンセンスを働かせて、コミュニケーションが取れるはずです。日韓の多くの軋轢や摩擦などもありますが、個人の観光旅行であっても、お互いの同じ人間としての次元で、相互理解を深めることができるはずです。

思えば、安価であるとはいえ、チムジルバン、サウナ宿泊を繰り返すような過酷な韓国旅行ですが、その環境の中で、本来の飾らない自分自身を発見するきっかけになるように思います。また折に触れて、韓国の印象について書いていこうと思います。

このような旅ができるのも、上手く疲労の蓄積をリリーフする方法があるからかもしれません。その一つが、「葛根湯」です。葛根湯とは漢方薬、生薬で、いわゆる風邪薬です。ただナチュラルな植物のエキスの力で、疲労や体のこわばり、不正常なリズムを緩和してくれる力があるように感じます。

事実、風邪の症状が出ないまでも、だるさ、気持ちの消沈、身体的な疲労感または緊張を感じるとき、これを服用すると、深く眠ることができて、翌朝には体の本来のリズムが戻ってきます。必ず旅に持っていく私の常備薬の一つです。

顆粒のものよりも、錠剤タイプの葛根湯の方が良い気がします。それは、服用する分量を自分で調整できるからです。成人が一回4粒飲むところを、体の疲労感に合わせて、2錠、3錠とコントロールすることがあります。

ただ本当に体調を崩し、発熱まである段階になると、少し効き目は弱いかもしれません。その際は、アセトアミノフェン入りの薬局で買える総合風邪薬を飲むなり、安静にする必要があります。

また葛根湯は、どんなに良いからといって、毎日服用すると腎臓に負担がかかると聞きました。やはり過ぎたるは及ばざるが如し、疲れを感じたら時々飲むといったペースが一番でしょう。



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