「きんつば」は昔「ぎんつば」だった!?
最近の記事の話題が、「鉄」と「食」ばかりじゃないか!とお叱りを受けそうですが、めげずに続けます。😆もちろん、まち歩きネタもありますので、折に触れてご紹介したいと思ってます!
さて今回は、遠い昔の「mixi ネタ掘り起こし」シリーズです(2007年の日記より再編集)。
こだわら「ない」こだわり
またまた食べ物ネタです(←これは16年前から変わってないらしい)。
大阪名物に関する色んな本を読みましたが、まだまだ知らない品が結構あるんですね。今回は大阪堂島の出入橋にある「出入橋きんつば屋」の紹介です。
創業1930(昭和5)年の老舗を初めて訪問!高速道路の高架そばという、今となっては少し目立たない場所にありました。
きんつばは、寒天で固めた餡を小麦粉の生地をつけて焼いた四角い和菓子です。出入橋きんつば屋さんの商品は、大きさが約4~5センチ四方、厚さが2センチほどと少し小さめで、全面は水で溶いた小麦粉をつけて焼かれています。
砂糖をあまり多く使ってないので風味はしつこくなく、軽く2個は食べられそう。👍表面の小麦粉の薄皮がモチモチっとしていて、クセになる食感!京都のような高級和菓子とは違った「庶民の香り」がいいね~。🍵
ただ、保存料を使ってないので、その日に食べないといけません。でも、安心してください!もし残った場合は冷凍保存して、食べたいときに餅を焼くように温めれば、これまた美味し。👍
元々、おやつとしてつまむ習慣の食べ物だったこともあってか、2代目のご主人によれば、
『別に、こだわりなんてないよ・・・』
と言い切るところが、職人気質でカッコイイ!!
ふと、持ち帰りの箱をみると、大阪名代と書いてあり・・・
一見、涼しげな対応でしたが、やはり老舗としてのこだわりをお持ちのようにうかがえました。
(※2022年時点で、3代目がお店を守ってらっしゃるようです)
ま~るいきんつばが、シカクにおさまり・・・
16年前の日記以来、あいにくお店を再訪できていませんが、店主が3代目となり、歴史ある大阪の和菓子の味が受け継がれていると知って、ちょっと安心しました。
2022年に「テレビ大阪開局40周年ドラマ」ということで、大阪の近代建築を舞台にした「名建築で昼食を 大阪編」が放送されました。その第1話で、同店のきんつばが登場したそうです(ときどき見てたのに、第1話を見逃してしまってた~⤵😢)。
OLの春野藤(池田エライザ)が、SNSで出会った「乙女建築」(そんな言葉、聞いたことないなぁ?)巡りが趣味の建築模型士・植草千明(田口トモロヲ)と、名建築巡りをするというドラマ。第1話で、春野が植草にお土産として出入橋のきんつばを渡したらしい。
何話か観た印象では、近代建築と食事の組み合わせがおしゃれで、切り取り方で大阪がこんなイイ街に見えるんやぁ・・・と感心しました。
ドラマはさておき、出入橋きんつば屋さんは、かつて1日に2,000個以上😲も売り上げ、「大阪できんつばといえば出入橋」と言われるほどの知名度のお店。ちなみに、GW明けから9月末まではかき氷を店内で食べられるので、この夏久々に行ってみるかなー!
そうそう、記事のタイトルにある、きんつばが昔「ぎんつば」だった話をしないと!🤦
江戸時代に京都(大阪発祥という説も)で作られ始めた時分は、平たい円盤状でした。白い皮の色と形が刀の鍔に似ているため、「銀鍔」と呼ばれていました。
やがて、京都から江戸に伝わった際、「銀より金の方が上等で縁起がいい」とか、「焦げ色が金色に見える」といった理由(諸説あります)で、「金鍔」になったと言われています。
明治になると、焼きやすくて持ち運びしやすい(=箱に無駄なく収まる)などのメリットもあって、四角い形に納まっちゃったようで(『バラエティー生活笑百科』の笑福亭仁鶴さん*とは逆やなぁ😆)。
余談が過ぎましたね。四角が当たり前になっているけれど、東京にある「榮太樓總本鋪」さんでは、今も丸型です。だからなのか、四角い方をわざわざ角きんつばと呼ぶこともあるみたい。
出入橋の地名や景観にまつわるお話が、まだまだたくさんあるんですけど、腹八分目にしときます。近々、こぼれ話でご紹介できればと・・・🥮