見出し画像

「きんつば」は昔「ぎんつば」だった!?

最近の記事の話題が、「鉄」と「食」ばかりじゃないか!とお叱りを受けそうですが、めげずに続けます。😆もちろん、まち歩きネタもありますので、折に触れてご紹介したいと思ってます!
さて今回は、遠い昔の「mixi ネタ掘り起こし」シリーズです(2007年の日記より再編集)。

こだわら「ない」こだわり

 またまた食べ物ネタです(←これは16年前から変わってないらしい)。

 大阪名物に関する色んな本を読みましたが、まだまだ知らない品が結構あるんですね。今回は大阪堂島どうじま出入橋でいりばしにある「出入橋きんつば屋」の紹介です。

 創業1930(昭和5)年の老舗を初めて訪問!高速道路の高架そばという、今となっては少し目立たない場所にありました。

店舗のたたずまい(2023年現在)
JR、地下鉄、私鉄から徒歩で10分弱のアクセス

 きんつばは、寒天で固めたあんを小麦粉の生地をつけて焼いた四角い和菓子です。出入橋きんつば屋さんの商品は、大きさが約4~5センチ四方、厚さが2センチほどと少し小さめで、全面は水で溶いた小麦粉をつけて焼かれています。

 砂糖をあまり多く使ってないので風味はしつこくなく、軽く2個は食べられそう。👍表面の小麦粉の薄皮がモチモチっとしていて、クセになる食感!京都のような高級和菓子とは違った「庶民の香り」がいいね~。🍵

四角いきんつばが綺麗に詰められている

 ただ、保存料を使ってないので、その日に食べないといけません。でも、安心してください!もし残った場合は冷凍保存して、食べたいときに餅を焼くように温めれば、これまた美味し。👍
 元々、おやつとしてつまむ習慣の食べ物だったこともあってか、2代目のご主人によれば、

『別に、こだわりなんてないよ・・・』

と言い切るところが、職人気質でカッコイイ!!
 ふと、持ち帰りの箱をみると、大阪名代なだいと書いてあり・・・

名代: 名前を知られていること。評判の高いこと

頑丈な箱に入っています(今とはデザインが異なります)

 一見、涼しげな対応でしたが、やはり老舗としてのこだわりをお持ちのようにうかがえました。
(※2022年時点で、3代目がお店を守ってらっしゃるようです)


ま~るいきんつばが、シカクにおさまり・・・

 16年前の日記以来、あいにくお店を再訪できていませんが、店主が3代目となり、歴史ある大阪の和菓子の味が受け継がれていると知って、ちょっと安心しました。

 2022年に「テレビ大阪開局40周年ドラマ」ということで、大阪の近代建築を舞台にした「名建築で昼食を 大阪編」が放送されました。その第1話で、同店のきんつばが登場したそうです(ときどき見てたのに、第1話を見逃してしまってた~⤵😢)。

 OLの春野藤はるのふじ(池田エライザ)が、SNSで出会った「乙女建築」(そんな言葉、聞いたことないなぁ?)巡りが趣味の建築模型士・植草千明うえくさちあき(田口トモロヲ)と、名建築巡りをするというドラマ。第1話で、春野が植草にお土産として出入橋のきんつばを渡したらしい。

 何話か観た印象では、近代建築と食事の組み合わせがおしゃれで、切り取り方で大阪がこんなイイ街に見えるんやぁ・・・と感心しました。

 ドラマはさておき、出入橋きんつば屋さんは、かつて1日に2,000個以上😲も売り上げ、「大阪できんつばといえば出入橋」と言われるほどの知名度のお店。ちなみに、GW明けから9月末まではかき氷を店内で食べられるので、この夏久々に行ってみるかなー!

 そうそう、記事のタイトルにある、きんつばが昔「ぎんつば」だった話をしないと!🤦
 江戸時代に京都(大阪発祥という説も)で作られ始めた時分は、平たい円盤状でした。白い皮の色と形が刀のつばに似ているため、銀鍔ぎんつばと呼ばれていました。

名古屋刀剣ワールド/名古屋刀剣博物館のサイトより(https://www.meihaku.jp/sword-basic/tsuba-design/)

 やがて、京都から江戸に伝わった際、「銀より金の方が上等じょうとう縁起えんぎがいい」とか、「焦げ色が金色に見える」といった理由(諸説あります)で、金鍔きんつばになったと言われています。

 明治になると、焼きやすくて持ち運びしやすい(=箱に無駄なく収まる)などのメリットもあって、四角い形に納まっちゃったようで(『バラエティー生活笑百科』笑福亭仁鶴しょうふくてい にかくさん*とは逆やなぁ😆)。

NHK大阪放送局制作の土曜お昼の法律番組。約30年、相談室長(司会)を務めた笑福亭仁鶴さんの『世の中いろんなトラブル続き。四角い仁鶴がまぁ~るくおさめまっせ~』のセリフで番組が始まる。

 余談が過ぎましたね。四角が当たり前になっているけれど、東京にある榮太樓えいたろう總本鋪そうほんぽさんでは、今も丸型です。だからなのか、四角い方をわざわざかどきんつばと呼ぶこともあるみたい。

 出入橋の地名や景観にまつわるお話が、まだまだたくさんあるんですけど、腹八分目にしときます。近々、こぼれ話でご紹介できればと・・・🥮