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[解剖学編 Vol.20] 僧帽筋の分割的役割と肩甲骨の動きについてについて
こんにちは!コンさん@施術に役立つ解剖学の近藤優也です。
僧帽筋(そうぼうきん)は、首から背中にかけて広がる大きな筋肉で、肩甲骨の動きや姿勢の維持に重要な役割を果たします。僧帽筋は上部・中部・下部の3つに分けられ、それぞれ異なる動作を担っています。本記事では、僧帽筋の解剖学的特徴、機能、施術アプローチ、症例別の対応策について詳しく解説します。
この記事で分かること
僧帽筋の解剖学的特徴と分割された役割
僧帽筋の機能不全が引き起こす問題
僧帽筋をケアする施術アプローチ
症例別の具体的なアプローチ方法
1. 僧帽筋の解剖学的特徴
僧帽筋は、頸椎から胸椎にかけて広がり、肩甲骨の動きをサポートします。
起始と停止
起始(きし):
後頭骨(こうとうこつ)
頸椎C1-C7の棘突起(きょくとっき)
胸椎T1-T12の棘突起
停止(ていし):
鎖骨外側(さこつがいそく)
肩峰(けんぽう)
肩甲棘(けんこうきょく)
神経支配
支配神経: 副神経(ふくしんけい)(XI)および頸神経叢(けいしんけいそう)(C2-C4)
主な役割(部位ごと)
上部僧帽筋(じょうぶそうぼうきん):
肩甲骨を挙上(肩をすくめる動作)
頭部の後屈や側屈を補助
中部僧帽筋(ちゅうぶそうぼうきん):
肩甲骨の内転(背骨に寄せる動作)
姿勢保持に貢献
下部僧帽筋(かぶそうぼうきん):
肩甲骨を下制(下に引く動作)
肩甲骨の安定性向上
筋膜との連携
僧帽筋は菱形筋(りょうけいきん)や肩甲挙筋(けんこうきょきん)と連携し、肩甲骨の安定性を維持します。
2. 僧帽筋の機能不全が引き起こす問題
弱化による問題
肩甲骨の不安定性:
僧帽筋が弱化すると、肩甲骨の動きが不安定になり、肩こりや痛みの原因に。
猫背の助長:
中部・下部僧帽筋の機能が低下すると、肩が前に巻き込み、猫背姿勢が悪化。
過緊張による問題
首や肩の慢性的なこり:
上部僧帽筋が過度に緊張すると、肩こりや頭痛を引き起こす。
肩関節の可動域制限:
中部・下部僧帽筋が過緊張すると、肩の動きが制限される。
3. 僧帽筋をケアする施術アプローチ
① 筋膜リリース
僧帽筋の柔軟性を回復し、肩の動きをスムーズにします。
手順:
クライアントを仰向けまたはうつ伏せに寝かせます。
僧帽筋の起始部から停止部まで、軽い圧を加えて筋膜リリースを行う。
呼吸に合わせて圧を調整し、リラックスを促します。
② ストレッチ
僧帽筋の柔軟性を高め、肩甲骨のスムーズな動きをサポートします。
手順:
クライアントに首を片側へ傾けてもらう。
反対側の僧帽筋がストレッチされるように圧を加える。
15~20秒間保持し、3セット繰り返す。
③ 筋力強化エクササイズ
弱化している場合、僧帽筋を鍛えるエクササイズを提案します。
エクササイズ例:
シュラッグ(Shrug): ダンベルを持ち、肩をすくめる動作。
ローイング運動: チューブやダンベルを使い、肩甲骨の内転を強化。
4. 症例別アプローチ:僧帽筋の弱化による猫背のケース
症状
背中が丸まり、肩が前に出る。
長時間のデスクワークで首や肩の疲労が増す。
アプローチ例
リリース:
僧帽筋と肩甲骨周囲の筋膜をリリースし、動きを改善。
ストレッチ:
姿勢改善のために、首と肩のストレッチを指導。
筋力強化:
ローイングやシュラッグを取り入れ、僧帽筋の強化を図る。
5. 僧帽筋ケアの効果
肩甲骨の安定性向上: 僧帽筋が適切に機能することで、肩甲骨の位置が整い、動作がスムーズに。
姿勢の改善: 猫背の改善や肩甲骨の正しいポジションを維持。
動作のスムーズさ向上: 僧帽筋の強化により、スポーツや日常動作のパフォーマンスが向上。
肩こりや首の痛みの軽減: 緊張を緩めることで、不快感が和らぐ。
6. まとめ:僧帽筋ケアの重要性と次回予告
僧帽筋は肩甲骨の動きや姿勢の維持に欠かせない筋肉です。その適切なケアを行うことで、肩こりの軽減や動作効率の向上が期待できます。
次回は[解剖学編 Vol.21] 大腿四頭筋と膝関節の安定性についてをお届けします!
質問やリクエストがあれば、ぜひコメントで教えてください!一緒に学び、成長していきましょう!