介護は「頼ることが大事」と知る
昨日、母が退院しました。
術後、身体の回復が遅れ、退院日も少し延びましたが
懸命のリハビリと本人の「家に帰りたい」という熱意?もあり
ようやく我が家に帰ることができました。
実は、父は要介護5、もう自力で歩くこともかなわず
食事をひとりでとることもできません。
母の入院中は、ショートステイにお世話になっていたのですが
体調を崩し、途中で帰宅することになりました。
母不在の実家、父を放っておくことはできません。
妹も私も仕事と家庭を抱えていましたが
平日は近くに住む妹が面倒を見てくれ、妹が無理な週末は
私が泊まり込みに行くことになりました。
母を通して、父を介護する様子は見てきたものの
実際、自分の力で介護をすることは初めて
とにかく不安しかありませんでした。
妹にいろいろ教わりながらも
ひとりで父を見なくてはならない、そのことが
とてつもなく重く感じられました。
父と私と、ふたりきり。
何かあったらどうしよう
上手くお世話できるのだろうか・・・
でも、実際に行って気づきました。
ふたりきりではない、と。
移動の手伝いをしてくれたり
着替えや体拭きの介助をしてくれるヘルパーさん
熱や血圧を測り、身体の状態を見守ってくれる
在宅看護師さん
往診してくれるお医者さん
そのすべての連携を行ってくれて
時には相談相手にもなってくれるケアマネージャーさん
実家は、たくさんの人が入れ替わり立ち替わり訪れて
父を見守り、お世話をしてくれる
そんな場所になっていました。
思えば数年前
父の体力が少しずつなくなってきた頃
思うように動けない父と、何とか元のようになってほしい母
できないことが増えていく父を見るのが辛いのか
母のメンタルがどんどん落ちていくのがわかりました。
通院の帰り、とうとう途中で歩けず座り込んでしまった父の傍らで
母が号泣している、と妹から連絡を受けたこともありました。
ふたりだけの生活は限界に近づいていました。
それまでは、あまり深刻に考えていなかった私たち娘も
いざ「介護」という現実に直面すると
何をどうすればいいのかわからず
「自分たちが背負うべきなのか」と随分悩みました。
その時、救いの手を差し伸べてくれたのが
地域の包括支援センターでした。
親身になって話を聞いてくださるケアマネさんと出会い
思いつめていた母の表情が変わっていくのがわかりました。
父が少しでも快適に過ごせるよう、介護用品をレンタルしたり
施設でお風呂に入れてもらうように手配してもらったり
月に一度のショートステイで母が休める日を作ってもらったり。
ヘルパーさんや在宅看護師さん、往診のお医者さんも
すべて手配してくれました。
「介護は家族だけで背負っちゃいけない」
そう言われたそうです。
多くの方たちの尽力とあたたかなサポートのおかげで
父は自宅で過ごすことができています。
個人的には、もっと娘として関わるべきだったのでは・・・
という後悔のような気持ちは消えません。
でも、そんなちっぽけな気持ちなどはどうでもよくて
いま、介護のプロのサポートがあるからこその
穏やかな日常があるのだ、と思うと
周りの方々への感謝の気持ちしかない毎日です。
介護は家族だけで背負っちゃいけない
周りのプロのチカラを頼る
それは、後ろめたいことでもなんでもない
介護される側もする側も
心穏やかに生きていくための唯一の方法
改めて実感したここ数日でした。