子どもたちが必要としているのは「受け皿」なのか。
不登校者数 約30万人。
という記事を毎年読んでいると、もうそろそろ気づこうよ・・・
という気持ちになります。
キャッチーに取り上げられてしまう不登校の理由も、不登校になった時どうしたらいいのかも、ホントは全部逆だということを。
数字の問題点
まず、毎年諸課題調査を見ていて残念におもうのですが、これは当事者アンケートではなく学校の回答を元に作られているので、学校や行政と当事者とではギャップが起こります。ギャップを埋めないまま不登校対策を進めてしまう問題点があります。
「受け皿」にも行けなくなる子どもの人数
なかなか学校には行けないということで、校内サポート教室や、教育支援センターを利用する子どもさんが、「そのうち行けなくなってしまう」というのはよくあることなのかもしれません。
行けなくなった子の数字には上がらずに「利用者数」に含まれてしまう問題点があります。
「学校復帰」後再び不登校になる子どもの人数
それから、「学校復帰」の数字も、年度末に校内サポート教室や、教育支援センターが仕切りなおされるタイミングで、新学期は学校に登校してみてはどうかと促される。
そのあとその子が健康的に継続的に学校復帰できたのかどうかの追跡はなく数値化されていない問題点があります。
それらの問題はスルーしたまま不登校対策をしてしまうので、子どもたちが置き去りにされているように見えてしまいます。
子どもたちはその「受け皿」に行きたいかどうか
心から渇望して選択している子がいたらそれはそれでびっくりですが・・・
でもやはり、心から渇望して選択している子がどれだけいるのかということです。
それから、親や先生がそこに行かせたい、という理由で行っている場合がどれほどなのか。
こういうことは、子ども本人がどう感じているか、整理しにくく、語りにくいと思いますが、世の中が「受け皿が必要」と思っているうちは、本質から遠い場所にいるように思います。
「受け皿から学校復帰」の美談の脆さ
受け皿に通い、健やかに過ごし、学校に復帰。
その子が健やかに過ごせているのならいうことはありません。
ただ、こういう話もまたキャッチーにニュースや成功例になり拡散されやすいところが危ないなと思うのです
こういう美談が先生たちにとって成功体験となり、それを押し付けられてしまう親子がいたとしたら、苦しいことだと思うのです。
学校復帰したとしても、そこがゴールではないことは、子ども自身が学校復帰した時に痛感すると思います。
学校復帰後学校の環境が整っていたらラッキーですが、環境を整えるよりも子どもが我慢して登校してもらうことが優先されるとしたら・・・
「そんなことはないですよ」
って思う教員がいたら、学校で起こるマルトリートメントにもう少し敏感になる必要があると思います。
ちなみに、教育支援センターに通所後学校復帰した子どもの気持ちのアンケート結果
これのアンケートは令和元年度に不登校であった者のうち、調査対象期間に、
を対象に実施されたアンケートということですが、参考になる部分は多いと思います。
ということで・・・
誰もが楽しく学校復帰できるとは限らないですし、
そのような居場所にそもそも属さない子どもの方が圧倒的に多いわけです。
ということは・・・
家で過ごす子どもは少なくとも6.7割
うちの市の場合
民間のフリースクールに所属している子どもの人数は把握できていないけれど、そんなに多くはないと想像されるとして・・・この数字から、ザックリした計算になりますが、少なくとも6~7割くらい(もしかしたら8割以上)の子が家で過ごしていることになると想像されると思いませんか?
300人中、180~200人かそれ以上になるのかもしれない。
どこかに属している子より、家で過ごしている子どもの方が圧倒的に多いことを見ずに対策をしている国や自治体に、それで大丈夫? という思いが湧いてきます。
せめてこんな感じのアンケートをとってから、不登校について話し合ってみてほしい。
「受け皿」を作るとその成果ばかりに気が取られる
と感じる保護者に対して、
と言われてしまいそうですが・・・
色々やってみた結果のところにいる不登校の親たちは、そういうことではないなと心底分かってきます。
家で過ごしていても、学校に戻りたいと願っている子どもも多くいると思いますが、戻れないから悲しいんです。
どうして戻れないのか
学校の中にいるとそれが見えにくいものなんだと思います。
「受け皿」の前にやるべきことがある
受け皿もいいですけど、学校を安心安全な場にしていく方が必要なことじゃないかな?
不登校の子どもたちが感じていることは、ワガママなことではないはず。
人としてごく当たり前の人権が守られているかどうか、という内容もあったりします。
どうか耳を傾けてみてほしいと願うばかりです。
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