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東京バレエ団 くるみ割り人形

12月16日(金) 東京文化会館
マーシャ 秋山瑛
王子 宮川新大

クルミ全幕をお金を出してみるのは何年ぶりか(発表会で抜粋をよくやるのでそれで満足していた)。
久しぶりに見て楽しかった。ストーリーが単純。ダンサーたちも楽しそう(早替え大変そうだけど)。難しいこと考えずに楽しめばよいのだ(ストーリーを複雑にする演出もあるけどね)。ただ中国の踊りやアラビアの踊りはどーにかしてくれと思う。オリエンタリズムまんまだぞ。
ちなみに東京バレエ団のクルミは30年くらい前に見た。

客席はほぼ満席。クルミだからと言って子ども連れが多いわけではない。これはすごいことではないか?

プログラムを買っていないので、誤解等があるかもしれません。

一幕
子どもが登場しない。女の子・男の子は女性ダンサーが演じる。大人が子どもを演じるのはどうなのか。30年前は違和感があった。特に男の子役の女性ダンサー。
今回は全然ない。
男の子役ダンサーがかっこいいのだ。30年前に比べればスタイルがいいし、頭も小さいからカツラも似合う。化粧もうまい。
両親役は背が高い(プラスハイヒールかな)ダンサーが演じるので、こちらはこちらでかっこよい。
ただ個人的に女の子・男の子は子どもがやるのが好き。そのバレエ学校の子どもたちが出演するのが良い。でもそうなると金平糖がグラン・パ・ド・ドゥを踊るだけになり、ストーリーがイマイチになるのだが、まあ変に少女が大人に成長云々と難しい理屈こねてもつまらん。
今回はマーシャがひたすら出続け・踊り続ける。元気だなあ。
ドロッセルマイヤーの柄本弾が楽しそう。意外にコミカルなドロッセルマイヤーで、本人ものりのり。でもカツラは大きくて(白髪である必要はないな)、燕尾服の肩パッドがなくて上半身が貧相に見えて、靴下(半ズボン?)の丈が半端で短足に見える。ドロッセルマイヤーはもっとダンディーでいてほしい。
それからドロッセルマイヤーがかみてにいたと思ったら、しもてに瞬間移動!みたいなことを何度かやるのだけれど(別人が後ろ姿だけ見せる)、もう少し驚かせてほしかった。「バレるのわかってるよね」と思ってやってはダメだよ。客席が全く沸かない。せめて笑いを取ろうよ。

人形が3人。ピエロとコロンビーヌとウッデンドール。ムーア人がウッデンドール。ムーア人(いわゆる黒塗り)もひどいけど、木製人形??これはこれで微妙なのだが。黒人じゃなきゃいいってわけではないと思うぞ。この3人は最後までずっとマーシャと王子についていく。おとなしめのマーシャと王子に比べてリアクションが大きい&大袈裟なので、わかりやすい。

真夜中。時計が12時を告げる(時計の鐘の音が意外に地味だった)。ツリーが大きくなるのはよくある演出なのだが、大きな椅子が登場したり、ツリーの真ん前から王子が登場したりで、マーシャが小さくなったことがよくわかる丁寧な演出(マーシャが小さくなることは斎藤友佳理がどこかで喋っていた)。なんでツリーが大きくなるのかなーとずーっと思っていたよ。
ネズミは男性。兵隊は女性。ここも子どもは出さない。

マーシャは王子を助けるためにスリッパでネズミの王様をバシッと殴る。投げない。
それでお面の外れた王子とマーシャが踊るのだが、ここからガチで踊る。赤と青の衣装の王子、めちゃくちゃかっこよかった(2幕もかっこよかったけど、お面が外れた後のオーラは圧巻)。

雪の場面。女王や王は登場せず、ひたすら群舞。よく動くなあ。マーシャたちも踊るので、女王や王はいらないと思う演出。

<休憩>

マーシャ、王子、人形たちと、ネズミが船で追いかけっこで幕開き。
そしてお菓子の国に到着する。大きく描かれるランプがオリエンタルでいいのか?正面が壁で、窓がいくつかあり、そこから各国のダンサーが顔を出す。曲が流れるとすぐに踊り出すので、窓から顔を見せているのは別のダンサー。でもちょっとした遊び心。
ディベルティスマンの女性はみなポワント。シューズなし。
ロシアが男性2人に女性1人で男性が断然見応えあり。女性がいらないほど。しかし男性の衣装がオレンジと黄色でチャイナみたいなのが残念。
葦笛はテクニシャン。
花のワルツの前に背景が変わり、宮廷風。ここまでマーシャら5人はかみてで踊りを見ていたが、ここで退場。
花ワルの衣装が白っぽい。スカートがうっすら色付きだったようだが、近眼の私はよく見えず。
そしてグラン・パ・ド・ドゥ。マーシャはチュチュに着替えて登場。袖が大きいのと、ふと肩が上がるところが幼い。前回も書いたけれど、痩せすぎだよー。子どもに見える。マーシャが踊っているのなら、それはそれでアリだけれど、でも花ワルがわりと体格の良いダンサーばかりだったので、余計貧相に見えてしまう。
グランは2人ともテクニックは抑えめ。ピルエットなんかグルグルこれでもか!とまわらないしまわさない。潔くて良い。
コーダは花ワルと2人だけでスッキリ。

最後はマーシャの部屋。舞台真ん中にスリッパが片方(のはず)残っているのが、夢と現実をつなぐ。
来年はまたクルミを観よう。

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