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ysh
2017年10月28日 21:22
−しあわせのうしろ髪を、私はそっと撫でたのでした−とっぷりと、甘く熟れた夕暮れに遠くから、夜が呼ぶやおく、甘やかにいつの間にかそこここに金平糖を張り付けて音の束がちりちりと、耳の奥を擽る酸素は濃くすっぽりとおさまっていくすべてが、あるべきところにもう一ミリも、動いてゆかないここにいま、あとひとつだけ必要なのは #詩 #夜 #夕暮れ
2017年7月28日 08:54
思考が羽音を響かせながら渇いた部屋を飛びまわる何も持たずにただ眠りの底につきたいのに ぽっかり空いた夜と朝のすき間に暗い廊下は長すぎてどこまでも吸い込まれていくような 感覚 どこまでも どこまでも どこまでも どこまでも 思考の羽音がぶんぶんと耳の奥に纏わりつく払いのける手は痺れて重く諦めた私は朝が来るのを ただ待っている 喉の渇きを潤すことも
2017年6月8日 13:06
シンクには数日前の紅茶のカップ干からびて 底にへばりついた檸檬数日前の それは 私夜の端をつかまえて縫い閉じようとする決してもう、開かないようにクローバーの針と、透明な糸部屋全体が脈打って濃いにおいを撒き散らす眩暈窓の外には、星夜の底にへばりついてそのまま干からびた私は薄く目をあけてとうの昔に死んだ星のひかりをみている
2017年4月26日 10:35
かなしいいろの空の下子どもたちが影踏みに興じているもうずっとどのくらい前からかあっちとこっちの区別もつかず歓声をあげながら私は黙ってベランダから見ている部屋の温度は上がらずに影がゆらゆらゆれているかなしいいろの空の下子どもたちの輪郭だけやけに明るく愛でればよいのか羨めばよいのかわからないので私は黙ってベランダから見ている紅茶の