詩 16

−しあわせのうしろ髪を、私はそっと撫でたのでした−


とっぷりと、甘く熟れた夕暮れに

遠くから、夜が呼ぶ

やおく、甘やかに

いつの間にかそこここに

金平糖を張り付けて

音の束がちりちりと、耳の奥を擽る

酸素は濃く

すっぽりとおさまっていく

すべてが、あるべきところに

もう一ミリも、動いてゆかない





ここにいま、あとひとつだけ必要なのは





#詩 #夜 #夕暮れ

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