詩 6

かなしいいろの空の下

子どもたちが

影踏みに興じている


もうずっと

どのくらい前からか

あっちとこっちの区別もつかず

歓声をあげながら


私は黙って

ベランダから見ている

部屋の温度は上がらずに

影がゆらゆらゆれている


かなしいいろの空の下

子どもたちの輪郭だけやけに明るく

愛でればよいのか

羨めばよいのか


わからないので


私は黙って

ベランダから見ている

紅茶の湯気はとっくに消えて

水面がゆらゆらゆれている


置いていかれた、魂ひとつ


月がゆっくり膨らんで


子どもがゆらゆらゆれている


私もゆらゆらゆれている




#詩 #現代詩 #夜 #夜の子ども #空


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