詩 6
かなしいいろの空の下
子どもたちが
影踏みに興じている
もうずっと
どのくらい前からか
あっちとこっちの区別もつかず
歓声をあげながら
私は黙って
ベランダから見ている
部屋の温度は上がらずに
影がゆらゆらゆれている
かなしいいろの空の下
子どもたちの輪郭だけやけに明るく
愛でればよいのか
羨めばよいのか
わからないので
私は黙って
ベランダから見ている
紅茶の湯気はとっくに消えて
水面がゆらゆらゆれている
置いていかれた、魂ひとつ
月がゆっくり膨らんで
子どもがゆらゆらゆれている
私もゆらゆらゆれている
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