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「あ、そっすか」は、どこにいったのか

来てほしくなかった12月がやってきて、検査と診察が迫ってまいりました。


「あ、そっすか」

この言葉は、がんを告知されたときの気持ちです。
「そうですか……(落ち込み)」でもなく、「そうですかぁ(深刻)」でもなく、
「あ、そっすか(軽)」でした。

術後補助化学療法後でも「あ、そっすか」

がんがわかって、胃を全摘出して。
摘出した胃の検査により、ついた診断はステージ2B。
再発の可能性を下げるために術後補助化学療法を行うことが
胃がんの標準治療パッケージのようですが、
実際に治療を受ける・受けないは、患者本人が決めます。

どうするかを問われて、考えるまでもなく返した言葉は「受けます」。
術後補助化学療法を受けずに再発したら、やっておけばよかったと100%思う。
それがわかっているから、答えは「受けます」しかありません。

受けて再発したら?
また「あ、そっすか」……に、なるはずでした。

「あ、そっすか」は、どこにいったのか

今、目の前にある、再発・転移。
来週の診察で主治医からその言葉が出てきたら、
とても「あ、そっすか」と受け止められそうにありません。
下手したら泣いちゃうかも、くらいな感じ。
先月の診察後、すでに涙目まではきてるしな(苦笑)。

術後補助化学療法を受けると決めたときの、“再発しても「あ、そっすか」”は
どこにいってしまったのか。
なぜその軽さで受け止められなくなったのか。

答えは簡単。
術後補助化学療法をやり遂げることができなかったことが、たった一つの理由。

やることやったんだから仕方ない。
術後補助化学療法を完走すれば、そう思えた。
だからこそ「あ、そっすか」という軽さで受け止められる。

術後補助化学療法を途中で止めたことは、
たぶん私の中では、最初から受けなかったこととほぼ同じ。
だから、「やっておけばよかった」に近い後悔があるんだと思います。

今、再発・転移となったときに湧く気持ちは、
「そうですか……(落ち込み)」や「そうですかぁ(深刻)」になりそうです。

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